大腿骨近位部骨折における深部静脈血栓症 (DVT) の術前評価の検討
大腿骨近位部骨折患者に対する術前DVTの発生について調査した. 対象は83例(男性16例, 女性67例, 平均年齢82.8歳), 骨折型は頚部38例, 転子部41例, 転子下4例, 術式は骨接合術53例, 人工骨頭置換術30例であった. 下肢超音波検査は入院日より平均6.3日で施行, 術前待機日数は平均9.3日であった. DVTは83例中28例(34%)に発生, 近位型5例, 遠位型19例, 近位+遠位型4例であった. 新鮮1例, 器質化10例, 不明17例であった. DVT発生の危険因子について検討したが, 年齢, 性別, 基礎疾患, 骨折型, 術前ADL, 受傷前抗血栓薬, 超音波検査日,...
Saved in:
Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 2; pp. 383 - 386 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2017
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 |
Cover
Summary: | 大腿骨近位部骨折患者に対する術前DVTの発生について調査した. 対象は83例(男性16例, 女性67例, 平均年齢82.8歳), 骨折型は頚部38例, 転子部41例, 転子下4例, 術式は骨接合術53例, 人工骨頭置換術30例であった. 下肢超音波検査は入院日より平均6.3日で施行, 術前待機日数は平均9.3日であった. DVTは83例中28例(34%)に発生, 近位型5例, 遠位型19例, 近位+遠位型4例であった. 新鮮1例, 器質化10例, 不明17例であった. DVT発生の危険因子について検討したが, 年齢, 性別, 基礎疾患, 骨折型, 術前ADL, 受傷前抗血栓薬, 超音波検査日, D-dimer, 全ての項目で有意差はなかった. DVT発生率は34%と高く, 近位型が11%存在するため, 周術期には注意を要する. 大腿骨近位部骨折のDVTスクリーニングにはD-dimerは有用では無く, 超音波検査を行うことが望ましい. |
---|---|
ISSN: | 0037-1033 |