エコーガイド下腕神経叢ブロック(腋窩法)

「はじめに」腕神経叢ブロック(腋窩法)は, 上肢手術の際によく使用されている麻酔法であるが, ブロックの際の疼痛, 神経損傷, 血腫形成などが問題となる. そこでエコーガイド下に, 腕神経叢ブロック(腋窩法)を行い, その有用性について検討した. 「対象及び方法」対象は上肢手術の際に腕神経叢ブロックを行った6症例である. 内訳は, 橈骨遠位端骨折2例, 肘頭骨折2例, 環指基節骨骨折1例, 舟状骨骨折1例, 年令は, 32歳~70歳, 平均51歳であった. 性別は女性2例, 男性4例であった. 方法は, 患者を仰臥位とし, 肩関節を外転外旋, 肘関節を90度屈曲し, 可能なかぎり中枢側で腋窩動...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 3; pp. 750 - 752
Main Authors 宮崎剛, 西岡英次, 北川敬二, 平田道彦, 吉田健治, 永田見生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2001
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」腕神経叢ブロック(腋窩法)は, 上肢手術の際によく使用されている麻酔法であるが, ブロックの際の疼痛, 神経損傷, 血腫形成などが問題となる. そこでエコーガイド下に, 腕神経叢ブロック(腋窩法)を行い, その有用性について検討した. 「対象及び方法」対象は上肢手術の際に腕神経叢ブロックを行った6症例である. 内訳は, 橈骨遠位端骨折2例, 肘頭骨折2例, 環指基節骨骨折1例, 舟状骨骨折1例, 年令は, 32歳~70歳, 平均51歳であった. 性別は女性2例, 男性4例であった. 方法は, 患者を仰臥位とし, 肩関節を外転外旋, 肘関節を90度屈曲し, 可能なかぎり中枢側で腋窩動脈の拍動を触知し, 7.5MHzのカプラ付きプローブを腋窩動脈に対して90度の位置に置き(図1), カテラン針をプローブに平行に刺入し, 動脈周囲に誘導し, 1%リドカイン(30ml)を投与した. ブロック後神経血管鞘内に局所麻酔薬が充満すると, 周囲筋組織との境界が鮮明となり, 腋窩動脈を中心にring状の低エコー像が現われる(図2).
ISSN:0037-1033