視運動性眼振の変数における年齢変化とその基準値

「1. はじめに」 視運動性眼振(OKN)検査は, 平衡機能障害の程度の把握, 責任病巣の推定などで日常診療に利用されている有用な検査法である. また, 視運動性眼振パターン(OKP)は検査結果を, パターン認識することで, 障害部位決定に有用な情報をあたえる. しかし, この情報は定性的・主観的・分析的であるため1)2), その解釈の定量化・客観化にしばしば困難がみられた. 近年, OKNの波形解析をコンピュータで行い, 眼振の構成成分を数値化した結果が, 定量的で客観的な情報源として臨床的に利用されている. この情報が臨床的にさらに有用なものになるためには, 数値が正常範囲内に存在するもの...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 92; no. 9; pp. 1416 - 1495
Main Authors 千葉恭久, 古屋信彦, 鈴木淳一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.1989
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ISSN0030-6622

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Summary:「1. はじめに」 視運動性眼振(OKN)検査は, 平衡機能障害の程度の把握, 責任病巣の推定などで日常診療に利用されている有用な検査法である. また, 視運動性眼振パターン(OKP)は検査結果を, パターン認識することで, 障害部位決定に有用な情報をあたえる. しかし, この情報は定性的・主観的・分析的であるため1)2), その解釈の定量化・客観化にしばしば困難がみられた. 近年, OKNの波形解析をコンピュータで行い, 眼振の構成成分を数値化した結果が, 定量的で客観的な情報源として臨床的に利用されている. この情報が臨床的にさらに有用なものになるためには, 数値が正常範囲内に存在するものなのかあるいは異常値なのかを判断する, 判断の基準が必要であると考えられる. この判断の基準は一般には正常値に代表させることができる. 正常値は健康正常人の示す範囲であり, 正常者から求めるべきものと考えられる.
ISSN:0030-6622