ループス腎炎14歳女児例―症例から治療を考える

「要旨」学校検尿をきっかけに発見された重症ループス腎炎の14歳, 女児例を経験した. 低補体血症, 抗核抗体, 抗DNA抗体強陽性を認めSLEと診断し, 腎生検によりループス腎炎ISN/RPS2003年改訂分類Class IV-S(A)と診断した. 治療はメチルプレドニゾロン大量療法の後, サイクロフォスファミド大量療法を選択し, 現在月1回6クールが終了したところである. 短期的には大きな副作用もなく疾患コントロールは良好であるが, ステロイドによる外見上副作用のためいじめにあい, 学校をたびたび休んでいる. 疾患とともに成長していく患児をフォローするにあたり, 治療だけでなく精神面, 社会...

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Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 18; no. 2; pp. 127 - 130
Main Authors 志水麻実子, 大野敏行, 田中秀典, 加藤大典, 岩田直之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児腎臓病学会 2005
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ISSN0915-2245

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Summary:「要旨」学校検尿をきっかけに発見された重症ループス腎炎の14歳, 女児例を経験した. 低補体血症, 抗核抗体, 抗DNA抗体強陽性を認めSLEと診断し, 腎生検によりループス腎炎ISN/RPS2003年改訂分類Class IV-S(A)と診断した. 治療はメチルプレドニゾロン大量療法の後, サイクロフォスファミド大量療法を選択し, 現在月1回6クールが終了したところである. 短期的には大きな副作用もなく疾患コントロールは良好であるが, ステロイドによる外見上副作用のためいじめにあい, 学校をたびたび休んでいる. 疾患とともに成長していく患児をフォローするにあたり, 治療だけでなく精神面, 社会面でのサポートが重要であると思われた. 「はじめに」重症ループス腎炎で発症した小児全身性エリテマトーデス(以下, SLE)を経験した. 小児期に発症し, 今後長期にわたって疾患とともに成長していく患児をフォローする上で, 疾患そのものの治療に加えて患児の精神面, 社会面に配慮していく必要を痛感したので報告する.
ISSN:0915-2245