大腿骨頚部骨折の骨折型発症に影響を及ぼす因子について
「はじめに」大腿骨頚部骨折は解剖学的に関節包内骨折(以下内側骨折)及び関節包外骨折(以下外側骨折)に分けることが出来る. そして, 両者の発生率は年代別に異なり, また内外側の発生比も人種的に異なることが知られている4). そこで今回我々はまず日本人女性において, 年齢を合わせた内側骨折群と外側骨折群とを比較し, 内外側骨折型発症に影響を及ぼす因子にっいて検討した. 対象および方法 対象は全例女性で内側骨折患者15例(年齢66~99歳, 平均年齢81.5歳)及び性, 年齢を合わせた外側骨折患者15例(年齢73~95歳, 平均年齢82.7歳)とした. 検討因子は身長, 体重, Body mass...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 47; no. 3; pp. 835 - 837 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
1998
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」大腿骨頚部骨折は解剖学的に関節包内骨折(以下内側骨折)及び関節包外骨折(以下外側骨折)に分けることが出来る. そして, 両者の発生率は年代別に異なり, また内外側の発生比も人種的に異なることが知られている4). そこで今回我々はまず日本人女性において, 年齢を合わせた内側骨折群と外側骨折群とを比較し, 内外側骨折型発症に影響を及ぼす因子にっいて検討した. 対象および方法 対象は全例女性で内側骨折患者15例(年齢66~99歳, 平均年齢81.5歳)及び性, 年齢を合わせた外側骨折患者15例(年齢73~95歳, 平均年齢82.7歳)とした. 検討因子は身長, 体重, Body mass index(以下BMI), 健側の大腿骨頚部骨量及び健側大腿骨頚部長Neck axis length(以下NAL)とした. 検定はWilocoxonの符号付順位和検定を用いた. 骨量測定は受傷後可及的早期にHologic QDR 1000 plusを用い, Neck領域, Trochanter領域及びWard's領域を測定した. また, Neck領域の骨量値をTrochanter領域の骨量値で割った値(以下NT値)も求めて検討した. NALは大腿骨頚部の中央を通る直線が大腿骨頭及び外側皮質と交差する間の長さをレントゲン写真正面像から計測し求めた. 結果 各検討因子の平均値を表1に示す. 身長, 体重, BMIで有意な差は見られなかった. Neck領域の骨量では有意な差はみられなかった. Trochanter領域の骨量は, 外側骨折群の方が低い値を示す傾向にあったが, 有意な差はみられなかった. |
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ISSN: | 0037-1033 |