変性腰椎すべり症に対する手術的治療

「緒言」腰椎すべり症を脊柱アライメントの面より考えると, 腰椎のみに限局された変形としてのすべり症と, 腰仙椎~骨盤股関節を含めたアライメント異常の存在する側弯変形に伴うすべり症, の2つに分けられる. 側弯変形に伴うすべりに対する手術的治療に際しては, 腰仙椎~骨盤股関節を含めたアライメント異常が存在するため, すべりのみの場合と区別し検討する必要がある4). 今回検討の対象とした症例は, すべりのみが存在する症例であり, 手術的治療においては運動分節異常の矯正を主眼において手術方針を決定できる. 対象としたのは手術後1年以上経過した症例であり, すべりに対する我々の治療方針を述べ, 結果に...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 3; pp. 790 - 794
Main Authors 佐々木邦雄, 大宮克弘, 小川光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1999
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ISSN0037-1033

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Summary:「緒言」腰椎すべり症を脊柱アライメントの面より考えると, 腰椎のみに限局された変形としてのすべり症と, 腰仙椎~骨盤股関節を含めたアライメント異常の存在する側弯変形に伴うすべり症, の2つに分けられる. 側弯変形に伴うすべりに対する手術的治療に際しては, 腰仙椎~骨盤股関節を含めたアライメント異常が存在するため, すべりのみの場合と区別し検討する必要がある4). 今回検討の対象とした症例は, すべりのみが存在する症例であり, 手術的治療においては運動分節異常の矯正を主眼において手術方針を決定できる. 対象としたのは手術後1年以上経過した症例であり, すべりに対する我々の治療方針を述べ, 結果についてレ線学的, 臨床的な面より検討を加え報告する. 変性腰椎すベリ症に対する我々の考え方ならびに治療方針 すべりの病態は脊柱管の狭窄により生じた馬尾ならびに神経根障害による下肢症状と, 運動分節の異常による椎体間アライメント障害と不安定性による腰痛が主体と考えられる.
ISSN:0037-1033