本邦における大量輸血症例の検討 - 平成25年血液製剤使用実態詳細調査 (300床以上) より
「平成25年血液製剤使用実態詳細調査(300床以上)」において1日に赤血球濃厚液(RBC)を10単位以上輸血された症例(R10症例)について解析した. 1)大量輸血を実施した施設(353施設, 473,391例)では, 約4.1%の症例(19,184例)がRBC全体の17.3%(325,173単位), 新鮮凍結血漿(FFP)の31.8%(263,701単位)を使用していた. 2)大量輸血を実施したが, 輸血量の未回答施設(160施設)を考慮すると, 国内では年間RBCは約47万単位, FFPは約38万単位が使用されており, 大量輸血症例数は約2.8万人と推定された. 3)診療科別(168施設,...
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Published in | 日本輸血細胞治療学会誌 Vol. 61; no. 3; pp. 409 - 415 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血・細胞治療学会
30.06.2015
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ISSN | 1881-3011 |
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Summary: | 「平成25年血液製剤使用実態詳細調査(300床以上)」において1日に赤血球濃厚液(RBC)を10単位以上輸血された症例(R10症例)について解析した. 1)大量輸血を実施した施設(353施設, 473,391例)では, 約4.1%の症例(19,184例)がRBC全体の17.3%(325,173単位), 新鮮凍結血漿(FFP)の31.8%(263,701単位)を使用していた. 2)大量輸血を実施したが, 輸血量の未回答施設(160施設)を考慮すると, 国内では年間RBCは約47万単位, FFPは約38万単位が使用されており, 大量輸血症例数は約2.8万人と推定された. 3)診療科別(168施設, 5,796例)では, 心臓大血管外科47%, 救急科13%, 消化器外科11%, 産婦人科6%の順で多く, これら4診療科で全体の77%を占めていた. 4)クリオプレシピテート, フィブリノゲン製剤の投与施設, 投与例数は, それぞれ10施設, 102例(1.8%); 11施設, 144例(2.5%)と少数であった. 5)両製剤使用群の輸血前フィブリノゲン値は, 非使用群に比較して低く, また, 輸血量は多い傾向にあり, より重症例に投与されていると推定された. 6)両製剤の止血効果, 有用性を示すためには, 疾患ごとの比較研究が必要と考えられた. |
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ISSN: | 1881-3011 |