頚椎化膿性脊椎炎の経験

頚椎化膿性脊椎炎は胸椎・腰椎に比べ比較的まれである. 今回, 我々は頚椎化膿性脊椎炎を2例経験したので文献的考察を加え報告する. 症例1 64才 男性 主訴:頚部痛 現病歴:平成3年9月上旬より頚部痛, 発熱が出現した. 近医より紹介され受診した. 既往歴:糖尿病 現症:頚椎の可動域は著明に制限され著明な頚部痛を認めた. 神経学的には明らかな異常は認めなかった. 血液検査所見:白血球12300/μl, 赤沈値44mm(30分)91mm(60分)X線所見:頚椎レントゲン像では正面像では明らかな異常は認めなかった. 側面像では頚部痛で首をすくめているため頚椎全体像が判読できなかった. MRI所見:...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 2; pp. 412 - 414
Main Authors 倉信耕爾, 河野龍之助, 山藤良史, 山下優嗣, 服部明典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1996
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ISSN0037-1033

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Summary:頚椎化膿性脊椎炎は胸椎・腰椎に比べ比較的まれである. 今回, 我々は頚椎化膿性脊椎炎を2例経験したので文献的考察を加え報告する. 症例1 64才 男性 主訴:頚部痛 現病歴:平成3年9月上旬より頚部痛, 発熱が出現した. 近医より紹介され受診した. 既往歴:糖尿病 現症:頚椎の可動域は著明に制限され著明な頚部痛を認めた. 神経学的には明らかな異常は認めなかった. 血液検査所見:白血球12300/μl, 赤沈値44mm(30分)91mm(60分)X線所見:頚椎レントゲン像では正面像では明らかな異常は認めなかった. 側面像では頚部痛で首をすくめているため頚椎全体像が判読できなかった. MRI所見:T1強調ではC4/5椎間板は消失しC4, 5椎体は低輝度を呈していた. T2強調像では圧潰変形したC4, 5椎体は高輝度を呈しこれにより脊髄は圧迫され蛇行していた(図1). 経過:入院後抗生剤の投与と安静により頚部痛と発熱は徐々に改善した. その後レントゲン像にてC5椎体の圧潰とC4/5椎間板の不安定性, 頚椎の後弯変形を生じたため(図2)11月19日病巣掻爬, 骨移植術を行った.
ISSN:0037-1033