脳血栓症発症後における接着分子 (ICAM-1, VCAM-1, E-selectin) 血清濃度の変動
脳血栓症発症後における接巻分子血清濃度の変動を検討した.対象は脳血栓症29例 (穿通枝梗塞19例, 皮質枝梗塞10例) と正常対照19例.脳血栓症例は急性期 (発症3日以内), 亜急性期 (発症7~10日), 慢性期 (発症28~35日) に採血し, 血清ICAM-1, VCAM-1, E-selectin濃度をELISA法により測定した.ICAM-1濃度は, 皮質枝梗塞において対照例 (277±81ng/ml) および急性期 (283±71ng/ml) に比して慢性期に有意に高値 (397±123ng/mJ, p<0.05) であり, VCAM-1濃度は, 穿通枝・皮質枝梗塞とも対照例...
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Published in | 脳卒中 Vol. 17; no. 3; pp. 278 - 283 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
25.06.1995
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ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.17.278 |
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Summary: | 脳血栓症発症後における接巻分子血清濃度の変動を検討した.対象は脳血栓症29例 (穿通枝梗塞19例, 皮質枝梗塞10例) と正常対照19例.脳血栓症例は急性期 (発症3日以内), 亜急性期 (発症7~10日), 慢性期 (発症28~35日) に採血し, 血清ICAM-1, VCAM-1, E-selectin濃度をELISA法により測定した.ICAM-1濃度は, 皮質枝梗塞において対照例 (277±81ng/ml) および急性期 (283±71ng/ml) に比して慢性期に有意に高値 (397±123ng/mJ, p<0.05) であり, VCAM-1濃度は, 穿通枝・皮質枝梗塞とも対照例 (584±79ng/ml) および急性期 (穿通枝629±157ng/ml・皮質枝712±203ng/ml) に比して亜急性期 (穿通枝933±294ng/ml・皮質枝1,223±433ng/m1, p<0.005) および慶性期 (穿通枝805±224ng/ml・皮質枝1,030±256ng/ml, p<0.01) で有意に高値であった.E-selectin濃度は, 脳血栓症症例では対照群に比較して全経過を通じて高値であったが, 経過中に有意の変動は認めなかった.接着分子は脳血栓症発症後に変動し.病熊にも影響を与えている可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.17.278 |