子宮頸部再発病変に対する光線力学療法(PDT)の現状と展望

「要旨」婦人科領域における光線力学療法(Photodynamic therapy: PDT)は子宮頸部異形成および初期癌に対する子宮温存目的として確立した治療である. 一方, 子宮頸部再発病変に対する治療は再発部位により集学的治療を要し幾度も再発することがあり, 治療法の選択に苦慮することも多い. 一般的に初回再発に対しては放射線療法が選択されることが多いが再度再発した場合, 照射量や合併症の問題から組織学的に初期病変にも関わらず治療選択肢は限定される. また, 根治的外科治療は患者の生活の質(Quality of life: QOL)を著しく下げてしまうのが現状である. そこでPDTは全身へ...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 33; no. 2; pp. 136 - 140
Main Authors 三宅清彦, 嘉屋隆介, 小屋松安子, 茂木真, 秋谷司, 田中忠夫, 坂本優, 岡本愛光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 31.08.2012
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ISSN0288-6200

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Summary:「要旨」婦人科領域における光線力学療法(Photodynamic therapy: PDT)は子宮頸部異形成および初期癌に対する子宮温存目的として確立した治療である. 一方, 子宮頸部再発病変に対する治療は再発部位により集学的治療を要し幾度も再発することがあり, 治療法の選択に苦慮することも多い. 一般的に初回再発に対しては放射線療法が選択されることが多いが再度再発した場合, 照射量や合併症の問題から組織学的に初期病変にも関わらず治療選択肢は限定される. また, 根治的外科治療は患者の生活の質(Quality of life: QOL)を著しく下げてしまうのが現状である. そこでPDTは全身への副作用が少なく, 患者のQOLを低下させることなく治療できうる有効な治療法の1つと考えられる. 今後, 再発病変に対しても適応拡大することで新たな治療戦略と成りうることを期待する. 「1. はじめに」子宮頸癌は癌検診の普及により早期で発見されることが多くなり, 患者数も増加傾向にある.
ISSN:0288-6200