慢性関節リウマチに対するAuranofin追加療法の検討

慢性関節リウマチ(以下RA)に対しては多くの抗リウマチ剤(以下DMARDs)の有効性が報告されているが, その効果の減弱, 副作用の出現に対しては, 他のDMARDsによる様々な組み合わせの併用追加療法が試みられている. 今回, 他のDMARDs効果減弱例に対し, Auranofinの追加療法を行い, その有用性について検討した. 対象 当科外来通院中のACR診断基準によるRA症例で, DMARDsの効果が不十分となりAuranofin 3mgの追加療法をおこなった症例23例を対象とした. 内訳は, 男性9例, 女性14例, 年齢は35歳から80歳, 平均58歳, RAの罹病期間は, 1年から...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 3; pp. 686 - 689
Main Authors 田中浩, 城戸研二, 峯孝友, 勝部浩介, 椎木栄一, 河合伸也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1996
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ISSN0037-1033

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Summary:慢性関節リウマチ(以下RA)に対しては多くの抗リウマチ剤(以下DMARDs)の有効性が報告されているが, その効果の減弱, 副作用の出現に対しては, 他のDMARDsによる様々な組み合わせの併用追加療法が試みられている. 今回, 他のDMARDs効果減弱例に対し, Auranofinの追加療法を行い, その有用性について検討した. 対象 当科外来通院中のACR診断基準によるRA症例で, DMARDsの効果が不十分となりAuranofin 3mgの追加療法をおこなった症例23例を対象とした. 内訳は, 男性9例, 女性14例, 年齢は35歳から80歳, 平均58歳, RAの罹病期間は, 1年から17年, 平均6.5年であった. ステージ分類は, ステージ2が7例, ステージ3が11例と, 割と関節破壊が進行しつつある症例が多くみられ, また, クラス分類では大部分がクラス2であった. 方法 DMARDsの効果が不十分, または十分であった効果が減弱した例に対し, Auranofin 3mgの追加療法を3ヵ月間行った. この期間, 使用中のNSAIDS, ステロイドの量または他剤への変更は行わなかった. 検討項目は, 朝のこわばり, 関節点数, 握力, 赤沈値の4項目よりなるランスバリー指数, CRP, リウマチ因子で, これらの項目を投与開始時, 及び3ケ月後について, 比較検討し, 副作用及び患者の評価についても調査した.
ISSN:0037-1033