経頭蓋磁気刺激による頚髄症高位診断の有用性と妥当性
「はじめに」経頭蓋磁気刺激による筋活動電位(以下MEP)は, 髄節支配の異なる上肢筋から導出することにより頚髄症の高位診断に用いることが可能である1)~5). 今回, 術前に計測したMEPの結果と術中の経頭蓋電気刺激脊髄誘発電位(以下TE-ESCP)の結果を比較し, 本法の妥当性について検討した. 対象および方法 対象は1995年以降, 当科で手術を行った頚髄症で, 術前MEPと術中TE-ESCPを測定した14例である. 磁気刺激はMagstim Model 200を用い, 14cm径の円形コイルの中心をCzに固定して行った. MEPは上肢のBicepsと小指外転筋(ADM)から軽度随意収縮下...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 3; pp. 929 - 933 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
1997
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」経頭蓋磁気刺激による筋活動電位(以下MEP)は, 髄節支配の異なる上肢筋から導出することにより頚髄症の高位診断に用いることが可能である1)~5). 今回, 術前に計測したMEPの結果と術中の経頭蓋電気刺激脊髄誘発電位(以下TE-ESCP)の結果を比較し, 本法の妥当性について検討した. 対象および方法 対象は1995年以降, 当科で手術を行った頚髄症で, 術前MEPと術中TE-ESCPを測定した14例である. 磁気刺激はMagstim Model 200を用い, 14cm径の円形コイルの中心をCzに固定して行った. MEPは上肢のBicepsと小指外転筋(ADM)から軽度随意収縮下に記録した. MEPの潜時から末梢神経伝導時間を差し引いて中枢伝導時間(CMCT)を算出した. 末梢伝導時間は, ADMでは尺骨神経刺激によるM波とF波, Bicepsでは腱のtappingによるT波にて計測した. ADM:CMCT=MEP-(M+F+1)/2 Biceps:CMCT=MEP-(T+1)/2 健常例32例から求あたCMCTの正常値は, Bicepsで3.3±0.5ms, ADMで4±1.0msであった, 3SD以上の延長にて異常と判定した. 術中のTE-ESCPは, 後方手術例では黄色靱帯に刺入した針電極を使用して, 前方手術例では術中モニタリングを目的に術前に硬膜外後方に挿入したカテーテル電極を使用して各椎間レベルで記録した. |
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ISSN: | 0037-1033 |