高度不安定性腰椎の化膿性脊椎炎に対し創外固定を用いた1例

「はじめに」脊椎感染症に対する治療法の第1選択は安静と化学療法であるり. しかしながら麻痺や広範な感染巣を伴っている症例, あるいは脊柱の支持性を喪失している症例では手術療法が選択されている1~15). 今回我々は高度脊推不安定性を伴った化膿性脊椎炎に対し, 創外固定を用いて治療した例を経験したので報告する. 症例 患者:74歳, 男性 主訴:歩行不能, 両下肢痛 現病歴:某医入院中に転倒し, 歩行難をきたした. 精査, 加療目的で当科紹介, 入院となった. 入院時所見:神経学的には第1腰髄以下の不全麻痺をみとめた. 血液検査上, WBC 10660, CRP 16.77, ESR 123/1...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 1; pp. 169 - 172
Main Authors 西村誠介, 小西宏昭, 原真一郎, 鳥越雄喜, 高須賀良一, 山口和博, 北原博之, 伊達武利, 木寺健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2000
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」脊椎感染症に対する治療法の第1選択は安静と化学療法であるり. しかしながら麻痺や広範な感染巣を伴っている症例, あるいは脊柱の支持性を喪失している症例では手術療法が選択されている1~15). 今回我々は高度脊推不安定性を伴った化膿性脊椎炎に対し, 創外固定を用いて治療した例を経験したので報告する. 症例 患者:74歳, 男性 主訴:歩行不能, 両下肢痛 現病歴:某医入院中に転倒し, 歩行難をきたした. 精査, 加療目的で当科紹介, 入院となった. 入院時所見:神経学的には第1腰髄以下の不全麻痺をみとめた. 血液検査上, WBC 10660, CRP 16.77, ESR 123/142と著明な炎症所見があった. 画像所見:腰椎単純X線上L3椎体, L4椎体の破壊があり, 側面前屈位ではL3椎体はほとんど圧潰されていた(図1). 腰椎MRI上 L3, L4椎体はT1low, T2highの信号を呈し, また右傍脊柱筋内に膿瘍形成があった(図2) . 胸椎MRI上 Th8からL1の高位の脊柱管内に硬模外膿瘍が見られた(図3). 以上より化膿性脊椎炎及び硬膜外膿瘍と診断した. 手術所見:始めに腹臥位で後方より侵入した, Th8からL1の椎弓切除を行った.
ISSN:0037-1033