頭部外傷急性期におけるdynamic CT

X線CTの進歩は目覚ましく, scan時間の短縮や画像の鮮明化によって解剖学的画像診断法としての地位はゆるぎないものになっている. さらに最近では生理学的診断の意味をもつdynamic CTが注目されつつある. これは造影剤の静脈内へのbolus injectionに続いて高速連続scanを行い, 各scanごとの画像と関心領域のCT値の変化からcontrast enhancement(CE)の動的変化を解析する手段である. 現在まで正常, 脳腫瘍, 脳血管障害におけるdynamic CTのdataが若干例報告されているが, 頭部外傷についての報告はない. ところで頭部外傷急性期の病態のうち,...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. 10; pp. 829 - 837
Main Authors 吉野英二, 山木垂水, 樋口敏宏, 平川公義, 堀川義治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1982
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ISSN0470-8105

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Summary:X線CTの進歩は目覚ましく, scan時間の短縮や画像の鮮明化によって解剖学的画像診断法としての地位はゆるぎないものになっている. さらに最近では生理学的診断の意味をもつdynamic CTが注目されつつある. これは造影剤の静脈内へのbolus injectionに続いて高速連続scanを行い, 各scanごとの画像と関心領域のCT値の変化からcontrast enhancement(CE)の動的変化を解析する手段である. 現在まで正常, 脳腫瘍, 脳血管障害におけるdynamic CTのdataが若干例報告されているが, 頭部外傷についての報告はない. ところで頭部外傷急性期の病態のうち, 形態的変化は病理解剖やCTによってしだいに明らかにされつつあるが, 脳血流や頭蓋内圧などのdynamicな変化については不明な点が多い. そこで今回我々は, 頭部外傷急性期における血流動態を解明する目的で頭部外傷急性期14例に対してdynamic CTを施行し, 興味ある知見を得たので報告する.
ISSN:0470-8105