甲状腺癌の放射性ヨウ素内用療法におけるRI治療病室稼働状況の実態調査報告 (第4報)

「はじめに」日本核医学会分科会腫瘍・免疫核医学研究会では甲状腺RI治療委員会を設け, 非密封放射性同位元素I-131による内用療法(以下, RI内用療法)における適正使用ガイドラインの作成等を通して, 本治療法の普及や安全管理のための環境整備を行ってきた. その一環として, 甲状腺癌のRI 内用療法に関する実態調査を行い報告してきた. 前回の報告では, RI 内用療法を必要とする甲状腺癌患者が増加する傾向にあるにもかかわらず, RI治療病室の稼働病床数は減少傾向にあり, 今後さらに保有病床数そのものの減少も想定されることが判明した. このことがもたらすものは, 治療方針決定からRI内用療法まで...

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Published in核医学 Vol. 54; no. 1; pp. 579 - 586
Main Authors 日本核医学会分科会 腫瘍免疫核医学研究会 甲状腺RI治療委員会, 小泉潔, 阿部光一郎, 岡本高宏, 金谷信一, 金谷和子, 伊藤公一, 渋谷洋, 内山眞幸, 絹谷清剛, 米山達也, 横山邦彦, 東達也, 戸川貴史, 伊藤充, 吉村真奈, 内田健二, 池渕秀治, 河端信道, 柴田敬悟, 山本篤, 柳田幸子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本核医学会 2017
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ISSN0022-7854

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Summary:「はじめに」日本核医学会分科会腫瘍・免疫核医学研究会では甲状腺RI治療委員会を設け, 非密封放射性同位元素I-131による内用療法(以下, RI内用療法)における適正使用ガイドラインの作成等を通して, 本治療法の普及や安全管理のための環境整備を行ってきた. その一環として, 甲状腺癌のRI 内用療法に関する実態調査を行い報告してきた. 前回の報告では, RI 内用療法を必要とする甲状腺癌患者が増加する傾向にあるにもかかわらず, RI治療病室の稼働病床数は減少傾向にあり, 今後さらに保有病床数そのものの減少も想定されることが判明した. このことがもたらすものは, 治療方針決定からRI内用療法までの待機期間の長期化が引き起こす患者の予後への影響であり, これ以上の長期化はもはや看過できない状況である. この問題に少しでも歯止めを掛けるために, 2010年11月から可能になった外来投与による甲状腺癌RI内用療法(以下, 外来アブレーション)の普及に関係団体(一般社団法人日本核医学会, 公益社団法人日本アイソトープ協会等)と協力して取り組んできた.
ISSN:0022-7854