ポリ (a-メチルスチレン) のシリカ-アルミナ触媒存在下における接触分解反応

ポリ (a-メチルスチレン) のシリカ-アルミナ触媒存在下での接触分解反応を行った. 主揮発生成物は240℃, 1hにおいてポリマーのベースモルに対してクメン (17.8 mol%) , ベンゼン (14.1 mol%) であった. その他に, 接触劣化オリゴマーは主鎖末端にインダン骨格が形成され劣化ポリマーには主鎖中にプロピレンユニットの生成していることが見いだされた. これらの生成物の変化と主鎖切断数の関係から主反応は開始反応の脱フェニル反応, 生成した鎖上カルボニウムイオンのβ切断, 及び生成した末端カルボニウムイオンの連続的なβ切断による解重合反応であることが明らかになった. 解重合反...

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Published in高分子論文集 Vol. 45; no. 5; pp. 409 - 416
Main Authors 島田, 俊司, 池村, 糺, 南部, 秀三郎, 吉川, 洋明, 武末, 知行, 河野, 由紀子, 石原, 由美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 25.05.1988
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.45.409

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Summary:ポリ (a-メチルスチレン) のシリカ-アルミナ触媒存在下での接触分解反応を行った. 主揮発生成物は240℃, 1hにおいてポリマーのベースモルに対してクメン (17.8 mol%) , ベンゼン (14.1 mol%) であった. その他に, 接触劣化オリゴマーは主鎖末端にインダン骨格が形成され劣化ポリマーには主鎖中にプロピレンユニットの生成していることが見いだされた. これらの生成物の変化と主鎖切断数の関係から主反応は開始反応の脱フェニル反応, 生成した鎖上カルボニウムイオンのβ切断, 及び生成した末端カルボニウムイオンの連続的なβ切断による解重合反応であることが明らかになった. 解重合反応は低温側で優勢で, 高温側では主鎖及び鎖末端のβ切断とともに主鎖上カルボニウムイオンの安定化によるプロピレンユニットの生成反応が起こり, その濃度は100モノマー当たり5個であった. ポリマー主鎖骨格の変成反応の生起することが確認された. これらの結果をもとにポリ (α-メチルスチレン) の接触分解機構を検討した.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.45.409