活動性肺結核患者における下部消化管病変の検討

活動性肺結核患者における下部消化管病変について検討した. 1999年4月~2004年3月に入院した排菌陽性の活動性肺結核患者8例(36~73歳, 平均;58歳, 全例男性)に対し回腸末端部の観察を含めた大腸内視鏡検査を施行した. 呼吸器症状は5例にみられたが, 3例には自覚症状が認められなかった. 消化器症状は認められなかった. 下部消化管病変は, 回腸末端部に小潰瘍を認めた1例と盲腸の萎縮瘢痕帯内に小潰瘍を伴った1例の計2例(25%)に認められた. 全て抗結核療法のみで治癒した. 活動性肺結核患者では消化器症状がなくても活動性腸病変が認められることもある. 回盲部の微小潰瘍性病変に遭遇した場...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 32; no. 1; pp. 23 - 28
Main Authors 垂水研一, 古賀秀樹, 小橋吉博, 久本信実, 春間賢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 2006
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ISSN0386-5924

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Summary:活動性肺結核患者における下部消化管病変について検討した. 1999年4月~2004年3月に入院した排菌陽性の活動性肺結核患者8例(36~73歳, 平均;58歳, 全例男性)に対し回腸末端部の観察を含めた大腸内視鏡検査を施行した. 呼吸器症状は5例にみられたが, 3例には自覚症状が認められなかった. 消化器症状は認められなかった. 下部消化管病変は, 回腸末端部に小潰瘍を認めた1例と盲腸の萎縮瘢痕帯内に小潰瘍を伴った1例の計2例(25%)に認められた. 全て抗結核療法のみで治癒した. 活動性肺結核患者では消化器症状がなくても活動性腸病変が認められることもある. 回盲部の微小潰瘍性病変に遭遇した場合, 結核症も念頭において診断を進めていく必要がある.
ISSN:0386-5924