人工関節置換術後の早期感染3例の治療経験

「はじめに」人工関節置換術の重篤な合併症として深部感染がある. 1995年以降, 当科にて3例の術後深部感染を経験したので報告する. 「症例呈示」症例1.72歳, 女性. 糖尿病にて治療中であった. 1998年5月14日, 右膝変形性関節症にてTKA(Hybrid type)施行. 術後12日で熱発を認め, 術後2週で, CRP 10.5と上昇, 局所の腫脹, 発赤が持続するため, 関節穿刺を行った. 関節内に膿を認め, 化膿性膝関節症と診断し, 当日, 掻爬洗浄及び人工関節温存下に持続洗浄を開始した. 膿よりMSSAが同定された. 持続洗浄を27日間行い, その後感染の再発を認めない. 感染...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 3; pp. 889 - 892
Main Authors 鈴木裕彦, 三原潤二, 佐藤善一郎, 岡敏行, 小柴民子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2001
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」人工関節置換術の重篤な合併症として深部感染がある. 1995年以降, 当科にて3例の術後深部感染を経験したので報告する. 「症例呈示」症例1.72歳, 女性. 糖尿病にて治療中であった. 1998年5月14日, 右膝変形性関節症にてTKA(Hybrid type)施行. 術後12日で熱発を認め, 術後2週で, CRP 10.5と上昇, 局所の腫脹, 発赤が持続するため, 関節穿刺を行った. 関節内に膿を認め, 化膿性膝関節症と診断し, 当日, 掻爬洗浄及び人工関節温存下に持続洗浄を開始した. 膿よりMSSAが同定された. 持続洗浄を27日間行い, その後感染の再発を認めない. 感染発症時, および術後25ヵ月でのX線にて, looseningを認めない(図1). 症例2.67歳, 女性. 糖尿病にて治療中であった. 1998年10月7日, 大腿骨頚部骨折に対し, 人工骨頭置換術(Cemntless type)を施行. 術後, 時々微熱を認めていたが術後1週間がすぎても, CRP10以上, WBC10000以上が持続.
ISSN:0037-1033