内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)にて加療した多発胃粘膜下異所腺(DCM)を背景とする早期胃癌の1例
「和文抄録」症例は, 80歳代男性. 胃精査の過程で超音波内視鏡検査(Endoscopic ultrasonography, EUS)にて多発胃粘膜下異所腺(diffuse cystic malformation, DCM)を診断. 経過観察中に早期胃癌を確認し, 内視鏡的粘膜下層剥離術(Endscopic submucosal dissection, ESD)を施行した. DCMの診断にはEUSが有用であった. 下床, 側方を含めた十分な内視鏡的切除にはESDが有用であった. DCMは胃癌の並存病変として知られている. そのため, 上部消化管内視鏡検査にて境界不明瞭な隆起を認めた場合には,...
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          | Published in | 山口医学 Vol. 58; no. 4; pp. 155 - 159 | 
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| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            山口大学医学会
    
        2009
     | 
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| ISSN | 0513-1731 | 
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| Summary: | 「和文抄録」症例は, 80歳代男性. 胃精査の過程で超音波内視鏡検査(Endoscopic ultrasonography, EUS)にて多発胃粘膜下異所腺(diffuse cystic malformation, DCM)を診断. 経過観察中に早期胃癌を確認し, 内視鏡的粘膜下層剥離術(Endscopic submucosal dissection, ESD)を施行した. DCMの診断にはEUSが有用であった. 下床, 側方を含めた十分な内視鏡的切除にはESDが有用であった. DCMは胃癌の並存病変として知られている. そのため, 上部消化管内視鏡検査にて境界不明瞭な隆起を認めた場合には, EUSを積極的に行い, DCMが存在する場合には多発胃癌のハイリスクグループとしての経過観察が重要である. 「はじめに」通常は上皮成分の存在しない胃粘膜下層内に異所性の非腫瘍腺管が多発する多発胃粘膜下異所腺(diffuse cystic malformation, DCM)は, 従来より胃癌の背景併存病変として知られている. しかしDCMが存在する局所においても, 胃粘膜表面の変化は乏しく, その治療前の存在診断はやや困難であり, 真の胃癌合併頻度も明らかではない. | 
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| ISSN: | 0513-1731 |