前腕における仮骨延長法の経験

「はじめに」小児において骨腫瘍などが原因で橈尺骨の発達の差による骨長差が生じ前腕変形や機能障害をもたらす事がある. 今回我々は, 仮骨延長法による骨長差の矯正を行った4症例を経験したので報告する. 「対象および方法」1993年以降に当院および関連病院で加療を行った4症例を対象とした. 男性1例, 女性3例, 手術時年齢は7~13歳, 原疾患は骨軟骨腫3例, 内軟骨腫1例であった. 術後追跡期間は3ケ月~6年6ケ月であった(表1). 術前レントゲンにおいて橈尺骨の健側との骨長差を計測し, さらにその差より相対的尺骨短縮量を求め, 目標延長量を設定した. 各々の相対的尺骨短縮量は, 症例1は7mm...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 4; pp. 1094 - 1097
Main Authors 矢野浩明, 黒木龍二, 薗田典生, 山本惠太郎, 川越正一, 戸田勝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2001
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」小児において骨腫瘍などが原因で橈尺骨の発達の差による骨長差が生じ前腕変形や機能障害をもたらす事がある. 今回我々は, 仮骨延長法による骨長差の矯正を行った4症例を経験したので報告する. 「対象および方法」1993年以降に当院および関連病院で加療を行った4症例を対象とした. 男性1例, 女性3例, 手術時年齢は7~13歳, 原疾患は骨軟骨腫3例, 内軟骨腫1例であった. 術後追跡期間は3ケ月~6年6ケ月であった(表1). 術前レントゲンにおいて橈尺骨の健側との骨長差を計測し, さらにその差より相対的尺骨短縮量を求め, 目標延長量を設定した. 各々の相対的尺骨短縮量は, 症例1は7mm, 症例2は36mm, 症例3は11mm, 症例4は19mmであった. 症例4は橈骨頭脱臼も伴っていた(図1). 各症例について総延長量, 延長率, healding index, 橈骨移動量の計測を行った. 「手術術式と延長方法」手術は症例1において橈尺骨延長を施行し, 残りの3例は尺骨単独延長を施行した.
ISSN:0037-1033