血液透析患者における化膿性脊椎炎の治療経験
「はじめに」近年, 末期腎不全患者において血液透析は非常に有効な治療手段となっているが, それに伴う骨関節合併症やcompromized hostであることを考えると, 化膿性脊椎炎の合併は重篤な問題である. 今回我々は血液透析患者に生じた化膿性脊椎炎を4例経験したので, その病態や治療について報告する. 「対象」1999年1月~2000年8月までに当科にて治療を行った化膿性脊椎炎11例のうち血液透析患者4例について検討した.「症例」症例1. 62才, 男. 慢性糸球体腎炎による慢性腎不全にて透析歴18年. 主訴は腰部と右大腿部の激痛. 1998年10月より腰痛出現し近医にて対症療法を受けてい...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 3; pp. 881 - 888 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2001
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ISSN | 0037-1033 |
Cover
Summary: | 「はじめに」近年, 末期腎不全患者において血液透析は非常に有効な治療手段となっているが, それに伴う骨関節合併症やcompromized hostであることを考えると, 化膿性脊椎炎の合併は重篤な問題である. 今回我々は血液透析患者に生じた化膿性脊椎炎を4例経験したので, その病態や治療について報告する. 「対象」1999年1月~2000年8月までに当科にて治療を行った化膿性脊椎炎11例のうち血液透析患者4例について検討した.「症例」症例1. 62才, 男. 慢性糸球体腎炎による慢性腎不全にて透析歴18年. 主訴は腰部と右大腿部の激痛. 1998年10月より腰痛出現し近医にて対症療法を受けていた. 12月になり右大腿部痛も出現し, 疼痛増強にて体動困難となり1999年1月7日当科入院となる. 経過中に著明な発熱は認めていない. 入院時, 体温37℃, 著明な腰痛, 右大腿痛にて体動困難であった. 神経学的異常所見はなかった. 血液検査では白血球7560/μl, CRP19.1mg/dlであった. |
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ISSN: | 0037-1033 |