骨補填剤β-tricalcium phosphate (β-TCP)の使用経験

「はじめに」骨欠損に対する従来の処置として自家骨移植が行われてきた. 銀行骨移植も行われてきているが, その合併疾患が危惧される. 近年, 自家骨移植による採骨部に対する手術侵襲や有限性を考え自家骨に代わる生体材料が使用される機会が多くなってきている. 我々は昨年以降β-tricalcium phosphate(以下β-TCP)を原則的に単独で使用してきたのでその結果につき報告する. 「対象」平成11年7月から平成12年7月に経験した骨欠損症例22症例, 23箇所で男性10症例, 女性12症例である. 種類別にみると新鮮骨折が大半で17例. 部位別にみると鎖骨7例, 上腕骨3例, 大腿骨2例な...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 3; pp. 783 - 786
Main Authors 瀬形建喜, 森澤佳三, 原田正孝, 市原厚佳, 副島義久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2001
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033

Cover

More Information
Summary:「はじめに」骨欠損に対する従来の処置として自家骨移植が行われてきた. 銀行骨移植も行われてきているが, その合併疾患が危惧される. 近年, 自家骨移植による採骨部に対する手術侵襲や有限性を考え自家骨に代わる生体材料が使用される機会が多くなってきている. 我々は昨年以降β-tricalcium phosphate(以下β-TCP)を原則的に単独で使用してきたのでその結果につき報告する. 「対象」平成11年7月から平成12年7月に経験した骨欠損症例22症例, 23箇所で男性10症例, 女性12症例である. 種類別にみると新鮮骨折が大半で17例. 部位別にみると鎖骨7例, 上腕骨3例, 大腿骨2例などであった(表1). 手術時年齢は7歳~89歳(平均49.1歳)β-TCP使用量は平均3.5cm3で比較的小欠損症例が多数を占めていた. 経過観察期間は平均9.3ケ月であった. 「方法」まず術後のレントゲンを経時的に調査し, 主にβ-TCP周囲の骨形成の有無, β-TCP吸収像の有無, 骨梁再開の有無の3点につき調査した.
ISSN:0037-1033