頚椎後縦靭帯骨化症における脊髄誘発電位による高位診断

「はじめに」頚椎後縦靭帯骨化症は広範囲に脊柱管の狭窄をきたす疾患であり, その障害高位を決定することは困難なことが多い. 臨床症状と画像所見の不一致とくに, 無症候性脊髄圧迫の存在が高位診断を難しいものにしている. しかしながら, 正確な高位診断を行うことは治療方針の決定に必要と考える. そこで, われわれは, 術前, 術中に脊髄誘発電位を測定し, 後縦靭帯骨化症における障害高位診断をこころみた. 「対象および方法」対象は当科にて頚椎後縦靭帯骨化症に対し手術を施行した17例, 年齢は45から78才, 平均63才であった. X線分類では, 連続型9例, 分節型4例, 混合型4例, 手術は12例に...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 1; pp. 15 - 18
Main Authors 森信謙一, 田口敏彦, 金子和生, 藤本英明, 上野宏康, 河合伸也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2001
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」頚椎後縦靭帯骨化症は広範囲に脊柱管の狭窄をきたす疾患であり, その障害高位を決定することは困難なことが多い. 臨床症状と画像所見の不一致とくに, 無症候性脊髄圧迫の存在が高位診断を難しいものにしている. しかしながら, 正確な高位診断を行うことは治療方針の決定に必要と考える. そこで, われわれは, 術前, 術中に脊髄誘発電位を測定し, 後縦靭帯骨化症における障害高位診断をこころみた. 「対象および方法」対象は当科にて頚椎後縦靭帯骨化症に対し手術を施行した17例, 年齢は45から78才, 平均63才であった. X線分類では, 連続型9例, 分節型4例, 混合型4例, 手術は12例に椎弓形成術を, 5例に前方固定術をおこなった. 術前および術中に正中神経刺激, 経頭蓋電気刺激および脊髄刺激による脊髄誘発電位を記録した. 「結果」1椎間障害は9例, 2椎間障害は7例であった. 症状軽微な1例では判定不能であった. 連続型, 混合型でもそのほとんどが1ないし2椎間障害であった.
ISSN:0037-1033