回復期リハビリテーション病棟における機能的自立度評価表 (FIM) に影響する薬学的要因の探索 - 決定木分析と重回帰分析を使用して

「緒言」超高齢社会のわが国では, 多剤併用を含めた医薬品の適正使用が課題となっている. 回復期リハビリテーション (回リハ) 病棟は急性期から在宅に移行するうえで重要な立場にある. しかも, 急性期に比べ入院期間が長いので医薬品の継続使用の可否, 種類や用法, 剤形などを検討するのに適した期間として期待されている. しかし, 現在, 「回リハ病棟入院料の施設基準」に医師・看護師・理学療法士・作業療法士等の医療従事者の記載はあるが「薬剤師」が明記されておらず, しかも, 回リハ病棟では薬剤管理指導料や病棟薬剤業務実施加算の診療報酬が認められていない. 筆者等は, 2017年3月に全国の回リハ病棟...

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Published in医療薬学 Vol. 47; no. 2; pp. 96 - 105
Main Authors 大坪博子, 岸本桂子, 平野偉与, 中野仁, 板谷一宏, 熊木良太, 赤川圭子, 大隅寛之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医療薬学会 10.02.2021
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ISSN1346-342X

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Summary:「緒言」超高齢社会のわが国では, 多剤併用を含めた医薬品の適正使用が課題となっている. 回復期リハビリテーション (回リハ) 病棟は急性期から在宅に移行するうえで重要な立場にある. しかも, 急性期に比べ入院期間が長いので医薬品の継続使用の可否, 種類や用法, 剤形などを検討するのに適した期間として期待されている. しかし, 現在, 「回リハ病棟入院料の施設基準」に医師・看護師・理学療法士・作業療法士等の医療従事者の記載はあるが「薬剤師」が明記されておらず, しかも, 回リハ病棟では薬剤管理指導料や病棟薬剤業務実施加算の診療報酬が認められていない. 筆者等は, 2017年3月に全国の回リハ病棟を有する施設における薬剤師業務の実態調査を実施し, 一般病棟に比べ薬剤師の人員確保や配置が厳しい状況にあること, 持参薬鑑別は実施しているが入院中や退院時の服薬指導は不充分であること, 経管投与や嚥下困難な患者への関与も調剤室での対応に留まり, 病棟滞在時間が短いこと等から患者個別の積極的な対応が少ない傾向にあることを報告した.
ISSN:1346-342X