大腸癌Oncologic Emergencyを克服するために : 閉塞症例に対するbridge to surgery (BTS)

「1. Oncologic Emergencyとは」Oncologic Emergency(OE)とは癌自体もしくは癌治療に関連する病態による生命の危機的状態である. OE診療においては, 通常の癌治療と異なり, 癌に対する治療の有効性, 根治性のみならず, 全身状態の評価, 管理を念頭においた治療方針の決定が必要となり, 極めて難しい病態である. OEは成因により, 機械的(穿孔, 閉塞, 出血など), 代謝性(電解質異常など), 精神的(せん妄など), 化学療法の副作用(血栓症, アナフィラキシーなど)などに分類され, 非常に多岐にわたる病態である. 消化器疾患における主成因は, 機械的O...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 14; no. 4; pp. 183 - 184
Main Authors 松田明久, 宮下正夫, 吉田寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 01.10.2018
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ISSN1349-8975

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Summary:「1. Oncologic Emergencyとは」Oncologic Emergency(OE)とは癌自体もしくは癌治療に関連する病態による生命の危機的状態である. OE診療においては, 通常の癌治療と異なり, 癌に対する治療の有効性, 根治性のみならず, 全身状態の評価, 管理を念頭においた治療方針の決定が必要となり, 極めて難しい病態である. OEは成因により, 機械的(穿孔, 閉塞, 出血など), 代謝性(電解質異常など), 精神的(せん妄など), 化学療法の副作用(血栓症, アナフィラキシーなど)などに分類され, 非常に多岐にわたる病態である. 消化器疾患における主成因は, 機械的OEであるが, 他成因も混在していることも多くmultidisciplinaryな対応が要求される. 「2. 大腸癌によるOncologic Emergency」大腸癌によるOEとして, 閉塞, 穿孔, 出血などがあげられる.
ISSN:1349-8975