ステム周囲骨折およびLag screw骨頭穿破に対して上方アプローチ (superior approach) を用いたサルベージ手術の4症例

【はじめに】術中術後のステム周囲骨折およびLag screwの骨頭穿破症例に対し, SAを用いたBHAおよびTHAを経験し, 良好な結果が得られたので報告する. 【症例】75歳女性. 左大腿骨頸部骨折に対してSAによるBHAを施行した. 術中ステム周囲骨折を認め, ネスプロンケーブルによる締結とセメントステムへの変更を行った. 89歳男性. 左大腿骨転子部骨折に対して骨接合術を施行した. 術後6ヶ月XpにてLag screwの骨頭穿破を認め, SAによる抜釘術およびTHAを施行した. 両症例とも術後の歩容は良好である. 他2例も経験しており合わせて報告する. 【結果】SAによるサルベージ手術は...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 1; pp. 144 - 148
Main Authors 森本辰紀, 加茂健太, 城戸秀彦, 城戸聡, 竹内龍平, 河野通仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2022
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ISSN0037-1033

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Summary:【はじめに】術中術後のステム周囲骨折およびLag screwの骨頭穿破症例に対し, SAを用いたBHAおよびTHAを経験し, 良好な結果が得られたので報告する. 【症例】75歳女性. 左大腿骨頸部骨折に対してSAによるBHAを施行した. 術中ステム周囲骨折を認め, ネスプロンケーブルによる締結とセメントステムへの変更を行った. 89歳男性. 左大腿骨転子部骨折に対して骨接合術を施行した. 術後6ヶ月XpにてLag screwの骨頭穿破を認め, SAによる抜釘術およびTHAを施行した. 両症例とも術後の歩容は良好である. 他2例も経験しており合わせて報告する. 【結果】SAによるサルベージ手術は術中に脱臼肢位をとらないため安定性が残り, 術後脱臼リスクが低いと考える. また, Lag screw骨頭穿破例のSAによるサルベージ手術は従来のアプローチと比較し, 同一皮切で展開するため手技も容易となり, 比較的低侵襲で手術可能である.
ISSN:0037-1033