超音波にて描出し得ない肝細胞癌に対するreal-time virtual sonographyを用いたCT-assisted radiofrequency ablation
緒言 肝細胞癌(HCC)に対する内科的局所治療として, 経皮的治療及び腹腔鏡的治療がある. 腹腔鏡的治療は直視下で治療し得る点で経皮的治療に比べて効果が確実である. 特に, 経皮的治療が困難な表在性, あるいは横隔膜直下腹側のHCCに対して腹腔鏡的治療はよい適応となる. そのため, 当科では腹腔鏡的治療が施行可能なHCCに対し, 1995年より積極的に腹腔鏡的治療を施行してきた. しかし, 深在性のものや横隔膜直下背側のものに対しては施行困難であるため, 経皮的治療を施行することが多い. このように, 当科では腫瘍の大きさや局在に応じて最適と考えられる治療法を選択している. 今回我々は, 治療...
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Published in | Journal of Microwave Surgery Vol. 25; pp. 109 - 114 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会
2007
メディカルレビュー社 |
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ISSN | 0917-7728 1882-210X |
DOI | 10.3380/jmicrowavesurg.25.109 |
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Summary: | 緒言 肝細胞癌(HCC)に対する内科的局所治療として, 経皮的治療及び腹腔鏡的治療がある. 腹腔鏡的治療は直視下で治療し得る点で経皮的治療に比べて効果が確実である. 特に, 経皮的治療が困難な表在性, あるいは横隔膜直下腹側のHCCに対して腹腔鏡的治療はよい適応となる. そのため, 当科では腹腔鏡的治療が施行可能なHCCに対し, 1995年より積極的に腹腔鏡的治療を施行してきた. しかし, 深在性のものや横隔膜直下背側のものに対しては施行困難であるため, 経皮的治療を施行することが多い. このように, 当科では腫瘍の大きさや局在に応じて最適と考えられる治療法を選択している. 今回我々は, 治療が困難な肝右葉最外側肝表面のHCCに対して, 腹腔鏡下に人工腹水を作製し, 経皮的に超音波誘導下ラジオ波凝固術(RFA)を施行した1例を経験したので報告する. I.症例 70歳, 男性. 主訴:特になし. 既往歴:33歳時に外傷にて膀胱・尿道裂傷, 骨盤骨折あり. その際に輸血を受けている. 家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:1993年(57歳時), 近医にてC型慢性肝炎を指摘され, 当科紹介受診. 1995年(59歳時)にはインターフェロン療法を受けたが, ウイルスは消失しなかった. |
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ISSN: | 0917-7728 1882-210X |
DOI: | 10.3380/jmicrowavesurg.25.109 |