エクアシールド (EQUASHIELD(R)) を用いたシクロホスファミド調製における調製者手袋の汚染状況調査

「緒言」抗がん剤を取り扱う医療従事者は, 長期的な抗がん剤曝露により, 健康被害を生じる可能性が懸念されている. 抗がん剤調製時の曝露を軽減させる方法として閉鎖式薬物混合デバイス(closed system drug transfer device: CSTD)の有用性が知られており, シクロホスファミド(cyclophosphamide: CPA)などのアルキル化剤を中心に多くの抗がん剤調製に使用されているが, CSTDを用いた調製においても調製者や周辺環境で働く医療従事者に対する抗がん剤曝露は完全に消失したとは言い難い. 特に調製者の手袋についてはPhaSeal(R), ケモセーフ(R)や...

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Published in医療薬学 Vol. 43; no. 12; pp. 713 - 718
Main Authors 前田章光, 下村一景, 栗原幸司, 原かをり, 高畑知帆子, 小原真紀子, 稲熊一英, 水野靖也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医療薬学会 10.12.2017
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ISSN1346-342X

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Summary:「緒言」抗がん剤を取り扱う医療従事者は, 長期的な抗がん剤曝露により, 健康被害を生じる可能性が懸念されている. 抗がん剤調製時の曝露を軽減させる方法として閉鎖式薬物混合デバイス(closed system drug transfer device: CSTD)の有用性が知られており, シクロホスファミド(cyclophosphamide: CPA)などのアルキル化剤を中心に多くの抗がん剤調製に使用されているが, CSTDを用いた調製においても調製者や周辺環境で働く医療従事者に対する抗がん剤曝露は完全に消失したとは言い難い. 特に調製者の手袋についてはPhaSeal(R), ケモセーフ(R)やTEVADAPTOR(R)などのCSTDを用いた調製後においても抗がん剤の付着が確認されている. 手袋に付着した抗がん剤は, 調製者の手指を介して, 周辺環境や輸液バッグ等に伝搬され, 患者のベッドサイドなど院内全体に抗がん剤汚染が拡散する可能性を有していることから, 抗がん剤調製において, 調製者手袋への抗がん剤曝露を軽減させることは重要な課題であると言える.
ISSN:1346-342X