T2 (SS) 胆嚢癌に対する二期的追加切除の検討

「要旨」 : 初回胆摘後にT2胆嚢癌と診断され, 追加切除した12例を検討した. 年齢中央値は75歳, 術前診断は胆嚢癌疑い2例, 他10例は良性胆嚢疾患であった. 初回は通常胆摘5例, 全層切除6例, 亜全摘1例であった. 追加切除は初回手術後50日で行われており, 肝切除7例, 肝外胆管切除7例, 領域リンパ節郭清11例, R0切除11例であった. 術後はClavien-Dindo分類IIIa以上の合併症なく, 術後在院日数10.5日であった. 癌遺残は3例, 術後補助化学療法を3例で施行した. 再発は2例, 5年無再発生存率81.5%, 5年全生存率91.7%であった. 本邦の臨床試験の...

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Published in胆道 Vol. 37; no. 2; pp. 155 - 161
Main Authors 森千浩, 北川裕久, 武藤純, 橋田和樹, 河本和幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.05.2023
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ISSN0914-0077

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Summary:「要旨」 : 初回胆摘後にT2胆嚢癌と診断され, 追加切除した12例を検討した. 年齢中央値は75歳, 術前診断は胆嚢癌疑い2例, 他10例は良性胆嚢疾患であった. 初回は通常胆摘5例, 全層切除6例, 亜全摘1例であった. 追加切除は初回手術後50日で行われており, 肝切除7例, 肝外胆管切除7例, 領域リンパ節郭清11例, R0切除11例であった. 術後はClavien-Dindo分類IIIa以上の合併症なく, 術後在院日数10.5日であった. 癌遺残は3例, 術後補助化学療法を3例で施行した. 再発は2例, 5年無再発生存率81.5%, 5年全生存率91.7%であった. 本邦の臨床試験の結果から今後S-1が術後の標準治療となることが期待されており, 更なる予後改善が期待される. 胆摘後にpT2胆嚢癌が判明した場合, 根治を目指した二期的追加切除に加え適切な術後補助化学療法を行うことで良好な予後が得られる可能性がある.
ISSN:0914-0077