超音波内視鏡下穿刺吸引生検 (EUS-FNAB) にて診断しえた膵神経鞘腫の1例

要旨 : 症例は62歳, 男性. 健康診断の腹部超音波検査にて膵頭部に嚢胞性病変を指摘され, 精査目的に当センターを受診した. CT, MRI検査で病変内部に漸増性の造影効果を認め, 充実性の膵腫瘤性病変と考えられたが, 画像での診断は困難であったため超音波内視鏡下穿刺吸引生検を施行した. 病理学的には, 束状に増殖した多数の紡錘形細胞を認め, 免疫染色で, c-kit陰性, CD34陰性, α-SMA陰性, S-100蛋白陽性の結果より, 最終的に膵神経鞘腫と診断した. Mib-1 indexは1~2%と増殖能は低く, 他に悪性所見が乏しいことから, 現在経過観察中である....

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Published in膵臓 Vol. 34; no. 1; pp. 37 - 45
Main Authors 菅井隆広, 虻江誠, 岩井渉, 宮崎武文, 涌井祐太, 相澤宏樹, 及川智之, 内海潔, 鈴木眞一, 伊藤しげみ, 佐藤郁郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本膵臓学会 2019
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ISSN0913-0071

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Summary:要旨 : 症例は62歳, 男性. 健康診断の腹部超音波検査にて膵頭部に嚢胞性病変を指摘され, 精査目的に当センターを受診した. CT, MRI検査で病変内部に漸増性の造影効果を認め, 充実性の膵腫瘤性病変と考えられたが, 画像での診断は困難であったため超音波内視鏡下穿刺吸引生検を施行した. 病理学的には, 束状に増殖した多数の紡錘形細胞を認め, 免疫染色で, c-kit陰性, CD34陰性, α-SMA陰性, S-100蛋白陽性の結果より, 最終的に膵神経鞘腫と診断した. Mib-1 indexは1~2%と増殖能は低く, 他に悪性所見が乏しいことから, 現在経過観察中である.
ISSN:0913-0071