老年者における脳葉型出血 特にアミロイド・アンギオパチーとの関連について
老年者の脳葉型出血について, 特にアミロイド・アンギオパチー (A.A) との関連を中心に臨床病理学的に検討した. 脳出血230例の中で脳葉型は39例 (17.0%) にみられ, 原因としては高血圧14例 (35.8%), A.A8例 (20.5%), 腫瘍6例 (15.4%) が多くを占めていた.A.Aによる出血の特徴は, 皮質を含む, 時に多発性の脳葉型出血で, 2次的クモ膜下出血を合併し, またA.Aに関連した皮質小梗塞 (しばしば多発性) が認められる事も稀ではなかった.臨床的には高血圧などのrisk factorが認められる事は少なく, 痴呆は認められないか, または認められても血管...
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Published in | 脳卒中 Vol. 6; no. 4; pp. 470 - 480 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
25.12.1984
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Subjects | |
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ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.6.470 |
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Summary: | 老年者の脳葉型出血について, 特にアミロイド・アンギオパチー (A.A) との関連を中心に臨床病理学的に検討した. 脳出血230例の中で脳葉型は39例 (17.0%) にみられ, 原因としては高血圧14例 (35.8%), A.A8例 (20.5%), 腫瘍6例 (15.4%) が多くを占めていた.A.Aによる出血の特徴は, 皮質を含む, 時に多発性の脳葉型出血で, 2次的クモ膜下出血を合併し, またA.Aに関連した皮質小梗塞 (しばしば多発性) が認められる事も稀ではなかった.臨床的には高血圧などのrisk factorが認められる事は少なく, 痴呆は認められないか, または認められても血管性痴呆と考えられる場合も少なくなかった. 従ってrisk factorのない老年者の脳葉型出血ではA.Aによると考えられる場合が少なくなく, この際痴呆の有無は必ずしも診断の決め手にはならないと考えられた. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.6.470 |