体性感覚誘発反応の術中モニター

知覚誘発電位の術中モニターが手術中の神経機能の評価に役立つ可能性が報告されている. このうち, 体性感覚誘発反応(somatosensory evoked potential:SEP)は特に脊髄手術での有用性が指摘されている1, 8, 9, 12, 16, 18)が, 脳手術での報告は少なく3, 5, 11, 17), また脳幹機能モニターとしての後頭蓋窩手術での報告はほとんど見当らない. 一方, 聴覚誘発脳幹反応(brainstem auditory evoked potential:BAEP)の術中モニターが手術中の聴機能または脳幹機能のモニターを可能とし, その術後機能予後判定に役立つ可...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 28; no. 11; pp. 1052 - 1058
Main Authors 大平貴之, 戸谷重雄, 高瀬守一朗, 中村芳樹, 宮崎宏道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1988
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ISSN0470-8105

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Summary:知覚誘発電位の術中モニターが手術中の神経機能の評価に役立つ可能性が報告されている. このうち, 体性感覚誘発反応(somatosensory evoked potential:SEP)は特に脊髄手術での有用性が指摘されている1, 8, 9, 12, 16, 18)が, 脳手術での報告は少なく3, 5, 11, 17), また脳幹機能モニターとしての後頭蓋窩手術での報告はほとんど見当らない. 一方, 聴覚誘発脳幹反応(brainstem auditory evoked potential:BAEP)の術中モニターが手術中の聴機能または脳幹機能のモニターを可能とし, その術後機能予後判定に役立つ可能性が指摘されているが, BAEPモニターでは予知できない脳幹障害の発生が報告されてきた7, 15). 我々は, SEPモニターを脳手術で試みるとともに, 後頭蓋窩手術では同時にBAEPモニターを併用し, これらの電位の術中モニターとしての有用性について検討を加えた.
ISSN:0470-8105