ステレオガイド下吸引補助乳房針生検(マンモトーム生検)の有用性と問題点

マンモグラフィを契機に発見される非触知病変に対する,ステレオガイド下吸引補助乳房針生検(以下マンモトーム生検)の有用性と問題点について検討した.当科では, 2002年3月よりマンモトーム生検を導入し,これまで30例を経験した.内訳は石灰化のみの病変が26例で,超音波で確実に同定できない腫瘍性病変が4例であった.石灰化病変のカテゴリー分類は,カテゴリー3が11例,カテゴリー4が12例,カテゴリー5が3例であった.一方腫瘍性病変は,カテゴリー3が2例,カテゴリー4は2例であった.全検査症例の40% (12/30)に悪性病変が認められ,そのうち非浸潤癌症例は25% (3/12)であった.合併症として...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 2; pp. 302 - 306
Main Authors 伊藤, 智雄, 高橋, 弘昌, 渡邊, 健一, 田口, 和典, 高橋, 將人, 藤堂, 省
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.02.2004
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.302

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Summary:マンモグラフィを契機に発見される非触知病変に対する,ステレオガイド下吸引補助乳房針生検(以下マンモトーム生検)の有用性と問題点について検討した.当科では, 2002年3月よりマンモトーム生検を導入し,これまで30例を経験した.内訳は石灰化のみの病変が26例で,超音波で確実に同定できない腫瘍性病変が4例であった.石灰化病変のカテゴリー分類は,カテゴリー3が11例,カテゴリー4が12例,カテゴリー5が3例であった.一方腫瘍性病変は,カテゴリー3が2例,カテゴリー4は2例であった.全検査症例の40% (12/30)に悪性病変が認められ,そのうち非浸潤癌症例は25% (3/12)であった.合併症としては, 1例に血腫が出現し, 2例に軽い気分不快が生じた.検査の適応の確立やコストの問題,癌播種の危険性など解決すべき課題はあるが,ステレオガイドマンモトーム生検は低侵襲で美容的にも優れた検査法であるといえる.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.302