Prostaglandin (PG) E1の肝類洞内皮細胞アクチン・Ca++-ATPase活性系に及ぼす影響
PGE1の肝類洞血流への影響を検討するとともに,肝類洞内皮細胞のCa++-ATPase活性の局在を超微形態学的に解析した.Wistar系ラットをsodium pentobarbital麻酔下で大腿動脈,大腿静賑,腸間膜静脈枝及び総胆管にカテーテルを挿入し,腸間膜静脈枝カテーテルよりPGE1 50ng/min/100.b.wをinfusion pumpを用いて持続的に注入し,全身動静脈圧,門脈圧をamplifire法により,肝類洞血流量はlaser Doppler法により経時的に測定した.肝類洞血流への影響は類洞内皮細胞を肝を灌流固定し,走査型電子顕微鏡で観察するとともに類洞内皮細胞のCa++-...
Saved in:
Published in | 肝臓 Vol. 37; no. 7; pp. 374 - 381 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
25.07.1996
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.37.374 |
Cover
Summary: | PGE1の肝類洞血流への影響を検討するとともに,肝類洞内皮細胞のCa++-ATPase活性の局在を超微形態学的に解析した.Wistar系ラットをsodium pentobarbital麻酔下で大腿動脈,大腿静賑,腸間膜静脈枝及び総胆管にカテーテルを挿入し,腸間膜静脈枝カテーテルよりPGE1 50ng/min/100.b.wをinfusion pumpを用いて持続的に注入し,全身動静脈圧,門脈圧をamplifire法により,肝類洞血流量はlaser Doppler法により経時的に測定した.肝類洞血流への影響は類洞内皮細胞を肝を灌流固定し,走査型電子顕微鏡で観察するとともに類洞内皮細胞のCa++-ATPase活性を透過型電子顕微鏡を用いて解析した.ラット腸間膜静脈枝カテーテルからPGE1を持続注入した結果,肝類洞血流の増加した.類洞内皮細胞の超微形態学的観察ではPGE1を注入群では,sieve plate小孔が拡張し,Kupffer細胞が内皮細胞上に多数の偽足状突起を伸展する像が得られた.類洞内皮細胞形質膜Ca++-ATPase活性は対照群と比べ明らかに増加した.よって,PGE1による肝類洞血流促進機序として肝類洞内皮細胞Ca++-ATPaseを介するアクチン系への弛緩作用が想定された. |
---|---|
ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.37.374 |