著明なT細胞の増殖と低IgA血症を認めた4-4′-diaminodiphenyl sulfone (DDS)症候群の1例
症例は25才,女性.薬物アレルギーの既往あり.好酸球性毛嚢炎の診断のもとに4-4′-diaminodiphenyl sulfone (DDS) 150mg/日の投与を受け,服用開始約3週間後より登熱,全身の皮疹,リンパ節腫大,肝脾腫,黄疸,単核球増加(異型リンパ球43%)出現し,さらにDDSによるリンパ球刺激試験が陽性であることより, DDSの副作用のうちまれなDDS症候群と診断した.本症候群は予後不良であるが,本例においてはステロイド投与などにより救命し得た.また,本例では末梢血T細胞の増加と皮膚およびリンパ節組織に著明なT細胞浸潤,リンパ球幼若化反応の低下を認め,さらに低IgA血症(10m...
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          | Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 77; no. 6; pp. 852 - 857 | 
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| Main Authors | , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本内科学会
    
        10.06.1988
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| ISSN | 0021-5384 1883-2083  | 
| DOI | 10.2169/naika.77.852 | 
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| Summary: | 症例は25才,女性.薬物アレルギーの既往あり.好酸球性毛嚢炎の診断のもとに4-4′-diaminodiphenyl sulfone (DDS) 150mg/日の投与を受け,服用開始約3週間後より登熱,全身の皮疹,リンパ節腫大,肝脾腫,黄疸,単核球増加(異型リンパ球43%)出現し,さらにDDSによるリンパ球刺激試験が陽性であることより, DDSの副作用のうちまれなDDS症候群と診断した.本症候群は予後不良であるが,本例においてはステロイド投与などにより救命し得た.また,本例では末梢血T細胞の増加と皮膚およびリンパ節組織に著明なT細胞浸潤,リンパ球幼若化反応の低下を認め,さらに低IgA血症(10mg/dl)を伴ったことなど免疫学的にも興味深い. | 
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| ISSN: | 0021-5384 1883-2083  | 
| DOI: | 10.2169/naika.77.852 |