聴覚誘発脳幹反応の術中モニター

聴覚誘発脳幹反応(brainstem auditory evoked potential:BAEP)の術中モニターは, 手術中の聴覚機能または脳幹機能のモニターを可能とし, その術後機能予後判定に役立つ可能性が指摘されている1-6, 14). 一方, 必ずしも術中BAEPの変化とこれらの術後機能とが対応しないとする報告もある7, 8, 12, 13). また, BAEPモニターにより術中操作によって生じる神経障害を未然に捉えて予防することは理想であるが, 手術操作を中断すべき:BAEPの変化の可逆的限界点もなお決定されていない. そこで, 我々の経験したBAEPモニターのデータによりこれらの点...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 28; no. 8; pp. 772 - 778
Main Authors 大平貴之, 戸谷重雄, 高瀬守一朗, 中村芳樹, 宮崎宏道, 中務正志, 井端由紀郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1988
Online AccessGet full text
ISSN0470-8105

Cover

More Information
Summary:聴覚誘発脳幹反応(brainstem auditory evoked potential:BAEP)の術中モニターは, 手術中の聴覚機能または脳幹機能のモニターを可能とし, その術後機能予後判定に役立つ可能性が指摘されている1-6, 14). 一方, 必ずしも術中BAEPの変化とこれらの術後機能とが対応しないとする報告もある7, 8, 12, 13). また, BAEPモニターにより術中操作によって生じる神経障害を未然に捉えて予防することは理想であるが, 手術操作を中断すべき:BAEPの変化の可逆的限界点もなお決定されていない. そこで, 我々の経験したBAEPモニターのデータによりこれらの点について検討を加えるとともに, これまでの報告と対比検討した. 対象および方法 1.対象 後頭蓋窩手術44例にBAEPのモニターを施行した. 内訳は, 脳幹機能モニター(脳幹障害の予防)の33例と聴覚機能モニター(聴力障害の予防)の11例に分かれた.
ISSN:0470-8105