頭頚部再建外科における再建臓器の選択 頭蓋底・上顎の顎顔面硬性再建

頭頚部再建において再建皮弁の選択は移植床血管の有無,欠損部の組織構成,癌腫の予後,患者の全身状態・年齢・性別によって決定される。顎顔面硬性再建に要求される再建皮弁の特徴は,移植皮弁の軟部組織と硬組織(骨・軟骨など)間の自由度が大きく細工しやすいことと,硬組織は骨切りなどの分割が可能で,欠損部位の複雑な形態に容易に対応できることが重要である。頭蓋底・上顎悪性腫瘍は海綿静脈洞に浸潤した症例を除けば,予後は比較的良好であるので,良好な顔面形態を維持するために,積極的な硬性再建が望ましい。Angular branch(角枝)を利用した分割肩甲骨皮弁と肩甲下動静脈茎複合皮弁による上顎から頭蓋底の顎顔面硬...

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Published in頭頸部外科 Vol. 11; no. 2; pp. 69 - 77
Main Author 西川, 邦男
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 30.10.2001
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.11.69

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Summary:頭頚部再建において再建皮弁の選択は移植床血管の有無,欠損部の組織構成,癌腫の予後,患者の全身状態・年齢・性別によって決定される。顎顔面硬性再建に要求される再建皮弁の特徴は,移植皮弁の軟部組織と硬組織(骨・軟骨など)間の自由度が大きく細工しやすいことと,硬組織は骨切りなどの分割が可能で,欠損部位の複雑な形態に容易に対応できることが重要である。頭蓋底・上顎悪性腫瘍は海綿静脈洞に浸潤した症例を除けば,予後は比較的良好であるので,良好な顔面形態を維持するために,積極的な硬性再建が望ましい。Angular branch(角枝)を利用した分割肩甲骨皮弁と肩甲下動静脈茎複合皮弁による上顎から頭蓋底の顎顔面硬性再建は,良好な顔面形態を長期間維持できる優れた再建法である。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.11.69