びまん性特発性骨増殖症 (DISH) における術前内科的併存症と脊椎術後合併症

びまん性特発性骨増殖症(DISH)では糖尿病, 高血圧, 肥満, 呼吸機能障害など内科的併存症の有病率が高いとされる. 当院にて脊椎手術時に判明したDISH症例における内科的併存症を調査し, 周術期内科的合併症および脊椎手術後合併症について検討した. 対象は83例で, 男性65例, 女性18例, 年齢は平均76±9歳であった. 83例中80例(96.4%)に内科併存症を認めた. 内訳は糖尿病25例(30.1%), 高血圧67例(80.7%), 肥満39例(47%)であった. 呼吸器疾患に関しては, COPD例はなく, 喘息9例(10.8%)であった. いずれの疾患も日本人平均を大きく上回ってい...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 70; no. 4; pp. 677 - 680
Main Authors 櫻木彬一, 大田秀樹, 松本佳之, 井口洋平, 巽政人, 田原健一, 柴田達也, 眞田京一, 萩原秀祐, 木田浩隆, 竹光義治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2021
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ISSN0037-1033

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Summary:びまん性特発性骨増殖症(DISH)では糖尿病, 高血圧, 肥満, 呼吸機能障害など内科的併存症の有病率が高いとされる. 当院にて脊椎手術時に判明したDISH症例における内科的併存症を調査し, 周術期内科的合併症および脊椎手術後合併症について検討した. 対象は83例で, 男性65例, 女性18例, 年齢は平均76±9歳であった. 83例中80例(96.4%)に内科併存症を認めた. 内訳は糖尿病25例(30.1%), 高血圧67例(80.7%), 肥満39例(47%)であった. 呼吸器疾患に関しては, COPD例はなく, 喘息9例(10.8%)であった. いずれの疾患も日本人平均を大きく上回っていた. また, DISHは周術期内科的合併症および術後脊椎合併症の頻度も高いと言われている. 当院においては, 周術期内科的合併症の発生は幸いにも経験せず, 脊椎術後合併症に関しては, 糖尿病患者に創部深部感染を1例に認めるのみであった.
ISSN:0037-1033