リン負荷量を基にした河川水中のリン濃度のシミュレーション

河川流況の異なる3つの時期に, リン三態の流下過程に伴う変動を測定した。これらの濃度をシミュレートするために, まずリン負荷量を原単位法より推定した。また, 1個の降雨タンクと19個の負荷タンクを並列させ, 河川水中ではリン三態はサイクリックに変動するというモデルを用いた。モデルから計算された濃度と実測値は比較的よく一致した。1987年12月では河川流量は小さく, 降雨に伴う負荷タンクからの影響は認められなかった。晴天時負荷割合が0.5および0.6であった。1986年7月には河川流量は12月に比較して約2倍大きかった。この場合, リン負荷量が大きいセグメントでは晴天時負荷割合は0.15~0.2...

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Published in水質汚濁研究 Vol. 14; no. 11; pp. 806 - 814,795
Main Authors 滝本, 和人, 川相, 吉弘, 北出, 哲朗, 有吉, 靖信, 川嶋, 忠義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本水環境学会 10.11.1991
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ISSN0387-2025
DOI10.2965/jswe1978.14.806

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Summary:河川流況の異なる3つの時期に, リン三態の流下過程に伴う変動を測定した。これらの濃度をシミュレートするために, まずリン負荷量を原単位法より推定した。また, 1個の降雨タンクと19個の負荷タンクを並列させ, 河川水中ではリン三態はサイクリックに変動するというモデルを用いた。モデルから計算された濃度と実測値は比較的よく一致した。1987年12月では河川流量は小さく, 降雨に伴う負荷タンクからの影響は認められなかった。晴天時負荷割合が0.5および0.6であった。1986年7月には河川流量は12月に比較して約2倍大きかった。この場合, リン負荷量が大きいセグメントでは晴天時負荷割合は0.15~0.20であった。1965年6月には, 当月も大雨で, 総負荷割合は3.79~4.49と著しく大きく, 負荷タンクからの寄与が主体であった。これらのシミュレーションから得られたリンの物質収支から, 河川の季節的特性等についても検討した。
ISSN:0387-2025
DOI:10.2965/jswe1978.14.806