天然水中における2-クロロフェノールの直接および間接光分解速度

天然水の濃縮液を用いて単色光照射実験を行い, 直接および間接光分解速度に関して次の結果を得た。 1) 試水の濃縮倍率20倍以下では光の入射面における間接光分解の速度定数は理論で予想される通り, DOCに比例して増大した。このことから試水のDOCが小さい場合, 濃縮液を用いる実験が光分解速度の測定に有効であることが示された。 2) 全光分解に対する間接光分解の寄与率は300nmにおいて約50%であり, 長波長になるにつれて増大した。太陽光の光強度分布を考慮した全光分解速度は325nmで極大を示した。 3) 直接光分解の量子収率は波長300~350nmで0.34~0.43の範囲にあり, 間接光分解...

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Published in水質汚濁研究 Vol. 14; no. 11; pp. 815 - 819,796
Main Author 河口, 英樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本水環境学会 10.11.1991
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ISSN0387-2025
DOI10.2965/jswe1978.14.815

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Summary:天然水の濃縮液を用いて単色光照射実験を行い, 直接および間接光分解速度に関して次の結果を得た。 1) 試水の濃縮倍率20倍以下では光の入射面における間接光分解の速度定数は理論で予想される通り, DOCに比例して増大した。このことから試水のDOCが小さい場合, 濃縮液を用いる実験が光分解速度の測定に有効であることが示された。 2) 全光分解に対する間接光分解の寄与率は300nmにおいて約50%であり, 長波長になるにつれて増大した。太陽光の光強度分布を考慮した全光分解速度は325nmで極大を示した。 3) 直接光分解の量子収率は波長300~350nmで0.34~0.43の範囲にあり, 間接光分解のそれは2-クロロフェノール濃度が1.6×10-6mol・l-1の場合, 10-3~10-5の範囲にあり, 長波長になるにつれて大きく低下した。
ISSN:0387-2025
DOI:10.2965/jswe1978.14.815