横隔膜直下の肝癌に対するラジオ波焼灼療法の工夫

「緒言」ラジオ波焼灼療法(RFA)の登場により, 肝細胞癌(HCC)の治療成績は大きく向上している1)2). しかしながら, HCCが肝表面や横隔膜直下に存在する場合や他臓器に隣接している場合など局所治療が困難な症例にも遭遇する. 当科では, このような治療困難症例に対して, 1995年から腹腔鏡下治療を, 2004年から人工胸水下治療を導入して治療を行ってきた. 今回, 横隔膜直下に存在するHCCのなかでも, RFA施行症例を対象として, 通常のRFAと比較しつつ, 両者の差異を検討した. 「I. 対象と方法」当科において, 2007年5月までにRFAを施行した237例のなかで, 横隔膜直下...

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Published inJournal of Microwave Surgery Vol. 26; pp. 63 - 65
Main Authors 安田, 隆弘, 藤井, 英樹, 榎本, 大, 岩井, 秀司, 森川, 浩安, 坂口, 浩樹, 田守, 昭博, 河田, 則文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会 2008
メディカルレビュー社
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ISSN0917-7728
1882-210X
DOI10.3380/jmicrowavesurg.26.63

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Summary:「緒言」ラジオ波焼灼療法(RFA)の登場により, 肝細胞癌(HCC)の治療成績は大きく向上している1)2). しかしながら, HCCが肝表面や横隔膜直下に存在する場合や他臓器に隣接している場合など局所治療が困難な症例にも遭遇する. 当科では, このような治療困難症例に対して, 1995年から腹腔鏡下治療を, 2004年から人工胸水下治療を導入して治療を行ってきた. 今回, 横隔膜直下に存在するHCCのなかでも, RFA施行症例を対象として, 通常のRFAと比較しつつ, 両者の差異を検討した. 「I. 対象と方法」当科において, 2007年5月までにRFAを施行した237例のなかで, 横隔膜直下にHCCが存在し, 通常の経皮的治療が困難と考えられた27例29結節を対象とした. 選択基準は, 横隔膜に接している症例, 肺の影響で腫瘍が明瞭に描出できない症例を対象とした. 当科では, LRFAと人工胸水下PRFAを腫瘍径と占拠部位によって使い分けている. 治療適応となる腫瘍個数はどちらも3個以内であるが, 大きさの適応は腹腔鏡下では原則最大4cmまでであり, 経皮的治療では最大3cmまでである.
ISSN:0917-7728
1882-210X
DOI:10.3380/jmicrowavesurg.26.63