補助人工心臓(VAS)装着に対する精神的動揺の検討

重症心不全患者において全身状態改善に対する補助人工心臓(VAS)の有効性は確立されているが、適応患者の種々のストレッサーに関連した精神的動揺へのケアは確立していない。今回心臓移植適応患者でVAS装着を考慮した成人男子患者3名の心理面の評価と、装着における精神的動揺について検討し、精神面からみたVASの適応について考察した。対象患者に対し、他者評価による東大式エゴグラムを用いた自我状態の評価を行い、待機中のストレッサーに対する不安反応を分析した。その結果、種々のストレッサーに対し自我状態から判断される性格傾向に応じた反応がみられた。したがって、VAS適応患者に対し自我状態の判定を行い、性格傾向を...

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Published in人工臓器 Vol. 25; no. 2; pp. 276 - 279
Main Authors 貸山, 紀代, 水上, ちえみ, 中谷, 武嗣, 竹之内, 須賀子, 小林, 順次郎, 鬼頭, 義次, 笹子, 佳門
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.04.1996
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.25.276

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Summary:重症心不全患者において全身状態改善に対する補助人工心臓(VAS)の有効性は確立されているが、適応患者の種々のストレッサーに関連した精神的動揺へのケアは確立していない。今回心臓移植適応患者でVAS装着を考慮した成人男子患者3名の心理面の評価と、装着における精神的動揺について検討し、精神面からみたVASの適応について考察した。対象患者に対し、他者評価による東大式エゴグラムを用いた自我状態の評価を行い、待機中のストレッサーに対する不安反応を分析した。その結果、種々のストレッサーに対し自我状態から判断される性格傾向に応じた反応がみられた。したがって、VAS適応患者に対し自我状態の判定を行い、性格傾向を理解し、さらにVAS装着下における精神的ケアに応用する事の重要性が示唆された。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.25.276