肝生検後のhemobiliaに対し, 経カテーテル的動脈塞栓術 (TAE) で止血しえた一例

症例は55歳男性. 平成7年12月20日, 近医にてC型慢性肝炎IFN治療前の肝生検を施行した. 生検には18Gの自動生検針を用いた. 翌日から心窩部痛, 4日後からは黄疸が出現した. 内視鏡的ドレナージ (ENBD) により多量の凝血塊の流出を認めた. 保存的療法を試みたが, hemobiliaは改善せず, 平成7年12月28日, 当科へ転院となった. 来院時, 右季肋部痛と黄疸があり, 血管造影ではA-Pシャントはなく, 動脈相にてstainを認めたため右肝動脈にて経カテーテル的動脈塞栓術 (TAE) を施行した. 3日間はENBDより間歇的に出血があったが, 徐々に黄疸は改善し, 1週間...

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Published in肝臓 Vol. 39; no. 1; pp. 42 - 45
Main Authors 西岡, 幹夫, 渡辺, 精四郎, 岡田, 浩, 森田, 翼, 有馬, 啓治, 伊藤, 哲史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.01.1998
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.39.42

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Summary:症例は55歳男性. 平成7年12月20日, 近医にてC型慢性肝炎IFN治療前の肝生検を施行した. 生検には18Gの自動生検針を用いた. 翌日から心窩部痛, 4日後からは黄疸が出現した. 内視鏡的ドレナージ (ENBD) により多量の凝血塊の流出を認めた. 保存的療法を試みたが, hemobiliaは改善せず, 平成7年12月28日, 当科へ転院となった. 来院時, 右季肋部痛と黄疸があり, 血管造影ではA-Pシャントはなく, 動脈相にてstainを認めたため右肝動脈にて経カテーテル的動脈塞栓術 (TAE) を施行した. 3日間はENBDより間歇的に出血があったが, 徐々に黄疸は改善し, 1週間目には経口摂取を開始し, 2週間目にENBDチューブを抜去した. 同時期に撮ったCTではS5中心の梗塞像を認めた. 肝生検の稀な合併症であるが, TAEにて止血しえたhemobiliaの一例を経験したので報告する.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.39.42