Integrated Cardioassist Catheter(ICAC)の臨床使用における問題点とその実験的検討

Integrated Cardioassist Catheter (ICAC)は, 経皮的(経大腿動脈)経大動脈弁的に左室内に挿入する脱血カニューレとIABPとを1本のカテーテルにあわせもつ拍動流左心バイパス装置として開発された。挿入に際しては, 脱血管内にてガイドワイヤーを通したビッグテイルカテーテルを先行させ, これをガイドに脱血管を透視下で左心室内に至らしめる。犬の腹部大動脈より挿入を行ったところ, 血管確保から装置駆動までに要した時間は, 平均約3分30秒であり, ビッグテイルとX線透視を用いることで挿入のための合併症を予防することができた。模擬回路にて回路内圧流量特性を求めたところ,...

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Published in人工臓器 Vol. 21; no. 2; pp. 353 - 356
Main Authors 安達, 秀雄, 井手, 博文, 藤正, 厳, 山口, 敦司, 井野, 隆史, 松本, 博志, 川人, 宏次, 水原, 章浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.04.1992
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ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.21.353

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Summary:Integrated Cardioassist Catheter (ICAC)は, 経皮的(経大腿動脈)経大動脈弁的に左室内に挿入する脱血カニューレとIABPとを1本のカテーテルにあわせもつ拍動流左心バイパス装置として開発された。挿入に際しては, 脱血管内にてガイドワイヤーを通したビッグテイルカテーテルを先行させ, これをガイドに脱血管を透視下で左心室内に至らしめる。犬の腹部大動脈より挿入を行ったところ, 血管確保から装置駆動までに要した時間は, 平均約3分30秒であり, ビッグテイルとX線透視を用いることで挿入のための合併症を予防することができた。模擬回路にて回路内圧流量特性を求めたところ, 全長90cmで9・10.5・12・15Frのそれぞれの内径で0.8・1.4・2.3・3.1l/minの流量が得られた。本装置は, 経皮的に挿入する左室補助循環装置で, 開胸などの煩雑な手技を必要とせず安全迅速に挿入可能でICU/CCU内での緊急時などでも十分に対応できるものである。
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.21.353