In vivo 一次止血をモデルとしたトロンボスタットによる in vitro 出血時間 (量) の測定

in vivo での一次止血を in vitro で測定できるよう工夫した装置トロンボスタットを用いてヒト, ラット, ウサギ, モルモット血液の出血量を測定した. 吸引圧は30mmHgがすべての種属に至適であり, 採血後1~3時間に測定すると安定した出血量のパターンが得られた. 出血量はラットが最も高く次いで, ヒト, モルモット, ウサギの順であった. PGE1はラット血液の出血量を終濃度0.05μM以上, ウサギ血液では0.1μM以上で増加させ, 特に第II相の血液量を著しく増加させた. 1日当り200~400mg/kgのチクロピジンを3日間ラットに経口投与すると, 出血量は増加し, A...

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Published in血液と脈管 Vol. 19; no. 1; pp. 16 - 25
Main Authors 内田, 清久, 山中, 吉隆, 山野, 雅弘, 間瀬, 勘央, 安永, 幸二郎, 四家, 勉, 嘉久, 志寿人
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本血栓止血学会 1988
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ISSN0386-9717
1884-2372
DOI10.2491/jjsth1970.19.16

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Summary:in vivo での一次止血を in vitro で測定できるよう工夫した装置トロンボスタットを用いてヒト, ラット, ウサギ, モルモット血液の出血量を測定した. 吸引圧は30mmHgがすべての種属に至適であり, 採血後1~3時間に測定すると安定した出血量のパターンが得られた. 出血量はラットが最も高く次いで, ヒト, モルモット, ウサギの順であった. PGE1はラット血液の出血量を終濃度0.05μM以上, ウサギ血液では0.1μM以上で増加させ, 特に第II相の血液量を著しく増加させた. 1日当り200~400mg/kgのチクロピジンを3日間ラットに経口投与すると, 出血量は増加し, ADPによる血小板凝集能は低下した. 一方, 1mg/kgのワーファリンを1回ラットに経口投与すると, プロトロンビン時間は延長したが出血量にも血小板凝集能にも変化なかった. 出血時間が15分以上の血小板無力症患者の出血量は著しく増加していた. これらの成績から, トロンボスタットは血小板に関連する一次止血を in vitro で測定するのに有用な装置と考えられる.
ISSN:0386-9717
1884-2372
DOI:10.2491/jjsth1970.19.16