胸腔鏡補助下 (VATS) 食道亜全摘, 胃管再建を施行した腐食性食道炎後食道狭窄の1例
44歳の男性。自殺企図で強アルカリ洗剤を服用し当院へ搬送された。著明な喉頭浮腫を認めたため気管挿管を行い, 胃洗浄, 活性炭投与など初期治療を行った。第15病日の内視鏡検査で食道胃接合部直上に高度の狭窄を認めたため拡張術を施行したが再狭窄を繰り返した。患者の食事摂取に対する希望が強いため早期手術を施行した。第70病日に胃瘻造設を行い, 第89病日に胸腔鏡補助下食道亜全摘, 胸骨後胃管再建を施行した。術後経過は良好で術後第38病日に退院となった。腐食性食道炎の病態は経時的に変化し多様な経過をとるため, 各症例の病態に応じた治療法の選択が必要である。保存的治療に不応性の食道狭窄に対しては根治術が施...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 25; no. 5; pp. 735 - 738 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
31.07.2005
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Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem1993.25.735 |
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Summary: | 44歳の男性。自殺企図で強アルカリ洗剤を服用し当院へ搬送された。著明な喉頭浮腫を認めたため気管挿管を行い, 胃洗浄, 活性炭投与など初期治療を行った。第15病日の内視鏡検査で食道胃接合部直上に高度の狭窄を認めたため拡張術を施行したが再狭窄を繰り返した。患者の食事摂取に対する希望が強いため早期手術を施行した。第70病日に胃瘻造設を行い, 第89病日に胸腔鏡補助下食道亜全摘, 胸骨後胃管再建を施行した。術後経過は良好で術後第38病日に退院となった。腐食性食道炎の病態は経時的に変化し多様な経過をとるため, 各症例の病態に応じた治療法の選択が必要である。保存的治療に不応性の食道狭窄に対しては根治術が施行されるが, 侵襲の少ない胸腔鏡補助下手術も選択肢の一つである。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem1993.25.735 |