Bleeding Index を用いた歯周疾患の診断法に関する研究 II. 血液疾患患者および糖尿病患者への応用

本研究の目的は, 出血性素因のある患者および糖尿病患者において, プロービング後のポケット滲出液中のヘモグロビン量と滲出液量との関係を調べ, この方法がそれらの患者において歯周病の診断および病態の判定に応用できるかどうかを検討することである。 血液疾患をもつ患者12人, 糖尿病患者11人および対照群として明らかな全身疾患をもたない10人の被験者 (健常者) の計33人を診査の対象とした。歯周ポケット滲出液採取装置によって採取した滲出液中の出血はヘモグロビン量として定量化した。それと同時に従来より行われているポケット滲出液量の測定も行い, これらの間の関連性についても検討した。その結果, 健常者...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 27; no. 3; pp. 541 - 553
Main Author 神山, 義信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.09.1985
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.27.541

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Summary:本研究の目的は, 出血性素因のある患者および糖尿病患者において, プロービング後のポケット滲出液中のヘモグロビン量と滲出液量との関係を調べ, この方法がそれらの患者において歯周病の診断および病態の判定に応用できるかどうかを検討することである。 血液疾患をもつ患者12人, 糖尿病患者11人および対照群として明らかな全身疾患をもたない10人の被験者 (健常者) の計33人を診査の対象とした。歯周ポケット滲出液採取装置によって採取した滲出液中の出血はヘモグロビン量として定量化した。それと同時に従来より行われているポケット滲出液量の測定も行い, これらの間の関連性についても検討した。その結果, 健常者, 血液疾患患者, 糖尿病患者のいずれの場合でも, ポケット滲出液量とプロービング後の滲出液中のヘモグロビン量との間に有意の正相関が認められた。しかし, 血液疾患患者, 糖尿病患者では, 健常者より明らかに大きな出血量を示した。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.27.541