拍動流を伴う経大動脈弁左室脱血法左心バイパス法; Integrated cardioassist catheter(ICAC)の臨床経験
経皮経大動脈弁的に左室内に挿入し左室流量補助を行う脱血力ニューラと, 下行大動脈内で拍動流を付加するバルーンとをあわせもつカテーテル(Integrated cardioassist catheter; ICAC)を用いた臨床治験例を経験した。症例は, 61歳男性。LAD急性閉塞, DOAにて当院に搬送され, 心肺蘇生下にPCPSおよびIABPを装着し, PTCAを行ったが, 左心構能は改善せず, 発症30時間後にICACに移行した。ICAC装着には30分を要したが, その後尿量増加と乳酸値の減少, 超音波検査における心機能改善が認められた。補助流量は1.8L/minが得られたが, 遊離ヘモグロ...
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Published in | 人工臓器 Vol. 23; no. 1; pp. 47 - 51 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本人工臓器学会
15.02.1994
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ISSN | 0300-0818 1883-6097 |
DOI | 10.11392/jsao1972.23.47 |
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Summary: | 経皮経大動脈弁的に左室内に挿入し左室流量補助を行う脱血力ニューラと, 下行大動脈内で拍動流を付加するバルーンとをあわせもつカテーテル(Integrated cardioassist catheter; ICAC)を用いた臨床治験例を経験した。症例は, 61歳男性。LAD急性閉塞, DOAにて当院に搬送され, 心肺蘇生下にPCPSおよびIABPを装着し, PTCAを行ったが, 左心構能は改善せず, 発症30時間後にICACに移行した。ICAC装着には30分を要したが, その後尿量増加と乳酸値の減少, 超音波検査における心機能改善が認められた。補助流量は1.8L/minが得られたが, 遊離ヘモグロビンは正常範囲内であった。入院時にすでに発症していたと思われた出血性脳梗塞のため, 入院6日後に死亡したが, 剖検で各臓器の血栓塞栓症は認められなかった。重症左心不全に対する迅速で簡易な補助循環法として, 本法は臨床使用可能であることが示唆された。 |
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ISSN: | 0300-0818 1883-6097 |
DOI: | 10.11392/jsao1972.23.47 |