長期補助人工心臓(VAS)装着患者の精神的動揺に関する検討

重症心不全患者において全身状態の改善に対する補助人工心臓(VAS)の有効性は確立されているが, 適応患者における精神的動揺に対するケアは確立されていない1). 今回, 心臓移植適応患者でVAS装着を行った成人男子患者2名の心理面の評価と装着における精神的動揺の評価を行った. 対象患者に対し, 東大式エゴグラムを用いての自我状態の評価を行い, 不安の定量的評価をSTAIを用いて行った.また心の健康の指標となるうつ状態の変化をSDSを用いて行った. その結果, 潜在する不安に対しては, 自我状態による特徴と考えられる行動パターンをとり, それぞれの不安が自己で処理されていた. これによりVAS適応...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in人工臓器 Vol. 27; no. 1; pp. 13 - 16
Main Authors 水上, ちえみ, 西原, 有香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本人工臓器学会 15.02.1998
Online AccessGet full text
ISSN0300-0818
1883-6097
DOI10.11392/jsao1972.27.13

Cover

More Information
Summary:重症心不全患者において全身状態の改善に対する補助人工心臓(VAS)の有効性は確立されているが, 適応患者における精神的動揺に対するケアは確立されていない1). 今回, 心臓移植適応患者でVAS装着を行った成人男子患者2名の心理面の評価と装着における精神的動揺の評価を行った. 対象患者に対し, 東大式エゴグラムを用いての自我状態の評価を行い, 不安の定量的評価をSTAIを用いて行った.また心の健康の指標となるうつ状態の変化をSDSを用いて行った. その結果, 潜在する不安に対しては, 自我状態による特徴と考えられる行動パターンをとり, それぞれの不安が自己で処理されていた. これによりVAS適応患者に対し自我状態の判定を行い, 不安の存在を理解しVAS装着下における精神的ケアに応用することの重要性が示唆された
ISSN:0300-0818
1883-6097
DOI:10.11392/jsao1972.27.13