第19回 心臓性急死研究会 ミニシンポジウム AED普及の取り組み-効果と課題- AEDにて救命された2症例 高次脳機能障害ない蘇生を目指すには
症例1:66歳,男性.スポーツクラブにて水泳中に心肺停止.自動体外式除細動器(AED)が装着され,52秒後に作動した.除細動後は洞停止で,5.6秒後に心室補充収縮,15秒後に洞調律が認められた.症例2:58歳,男性.スポーツクラブにてテニス中に心肺停止.約3分後にAEDが装着され,60秒後に作動した.除細動後は完全房室ブロックで,76秒後に心室補充収縮,98秒後に33/分の心室調律が認められた. 症例1は後遺症なく蘇生されたが,症例2には高次脳機能障害が残存した.この2症例を検討すると,AED装着・作動までの時間に違いはなかったが,除細動後の自己調律の出現に大きな差があった.高次脳機能障害なく...
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Published in | 心臓 Vol. 39; no. Supplement3; p. 58 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
30.08.2007
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.39.Supplement3_58 |
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Summary: | 症例1:66歳,男性.スポーツクラブにて水泳中に心肺停止.自動体外式除細動器(AED)が装着され,52秒後に作動した.除細動後は洞停止で,5.6秒後に心室補充収縮,15秒後に洞調律が認められた.症例2:58歳,男性.スポーツクラブにてテニス中に心肺停止.約3分後にAEDが装着され,60秒後に作動した.除細動後は完全房室ブロックで,76秒後に心室補充収縮,98秒後に33/分の心室調律が認められた. 症例1は後遺症なく蘇生されたが,症例2には高次脳機能障害が残存した.この2症例を検討すると,AED装着・作動までの時間に違いはなかったが,除細動後の自己調律の出現に大きな差があった.高次脳機能障害なく社会復帰を目指すには,AED使用までの時間短縮,AED使用までの心肺蘇生術施行もさることながら,AED作動後の心肺蘇生術続行も必要と考えられた.また,汎用AEDに経皮ペーシング機能の追加も望まれる. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.39.Supplement3_58 |